「マルボロの意味を知ってますか」と言って、今まで、何百人もの老若男女を欺いてきました。
18歳、確か、煙草が解禁される年頃だと思う。18歳の夏、煙草を吸う癖がついた。
フィリピンでは、メインの煙草がマルボロであった。
マニラで知り合ったノエルは、マニラの下町で歩き煙草売りの少年から、煙草を2本買った。そして、1本を私にくれ、彼は、「マルボロのスペルの略を知ってるか」と言って、その煙草売りの少年からジッポを受け取り、火をつけた。煙草伝いに私の煙草に火をつけた。フィリピンスタイルである。たいてい皆、煙草はバラ売りでバラ買いするし、ライターも持っていないので、煙草を吸っている人を見つけて、煙草の先から貰い火をするのだ。
Men Always Remember Love Because Of Romance Only
文法的に何だか変な感じもするけど、妙に納得した。男の身勝手な論理を強いアメリカに反映しているなあと思った(その頃「強いアメリカ」を標榜するレーガン政権でもあった)
想い出の煙草として、私の煙草の人生の銘柄はフィリピンで決まった。
人間というもの、煙草の銘柄、実は、味なんてそんなに変わらないものだけど、次から次へと銘柄を変える人は少ない。それで、煙草産業は、銘柄を決めてもらうには、早ければ早いほどいい。テレビでのコマーシャルはなくなったが、「未成年は吸ってはいけないよ」といいながら、未成年が反抗して吸うのを大いに期待しているのであった。
そういえば、マルボロ伝説としては、パッケージにKKKが刻まれているとか、パッケージに飛び出ているMとlとbの飛び出た部分以外を覆ったら2人の足が出て、アメリカインディアンが吊るされている虐殺を示しているとか(何でやねん)あったなあ。
ボックスタイプの煙草は背広に綺麗に入るようにだってね。あ、マルボロと関係ないか。
最近、老若男女を騙してないなあとふと思い出したら、3年ぐらい禁煙しているんだった・・・