そこそこ、最近歩いていると、大學も卒業式の形相である。
何を隠そう、私は友人知人が多岐に亘るため、誰一人として、卒業式行こうや、と誘ってもらうこともなかったのであった。
何せ、私の通っていた大学はマンモス校で15,000人ばかりの人数を数えるほどであったので、私が、いちいち全員の名前と顔を覚える暇はなかったのである。それどころか、学年があがるにつれ、学部では知り合いがいなくなり、大學5年に至っては、後期試験のときに、ふと、隣の奴をみると、大学1年のときと同じゼミの奴だった、4年ぶりに会ったということも、何度かあったのである。勿論そのときは、お互いの勉強のし過ぎを意気投合、叱咤激励、青色吐息、烏合之衆であった。
それに、2年以上になると、授業で知り合いもないので、勉学に身が入り、学校に行ってから帰るまで一言も喋らないという日常茶飯事、日々是毎日、本来無一物、五十歩百歩なのであった。
最近では、いや、当時かもしれないが、大学卒業式には父兄母妹も参列することがあると聞いているのだが、私は、すっかり、誰にも聞くことを忘れており、卒業式というのは、誰も出席しないものなのだと、思い込んでいた。そんな訳で、ホエホエとボルネオ島の山奥で優雅なジャングルリゾートして、日焼けで無茶苦茶になった皮を剥くのが、日課となっていた訳である。もしかして、これって卒業旅行って言う奴なのか?私は、腕を組んで、考えるフリをするのである。何故だが、灼熱のジャングルの中で、「クリスマスカロル(ディッケンズ)」を読んでいたのであった。
しかし、何故、仰げば尊しとか蛍の光とか、スコットランド民謡なのか。まあ、ここだけの秘密だが、高校の卒業式は、卒業写真、中学校は、・・・忘れた。
何とも、気の抜けた本日の日記である。気の抜けたといえば、「ブロークンフラワーズ」全編通して気が抜けっぱなし。それでいて、飽きないのは、ジャームッシュ監督のなせる業なのか・・・