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今日は、50人ぐらいの前で、自己紹介をする機会があった。何せ、そういうのは、得意である。しかし、何も見ずに3分以上話することはできない。最初に何を言っていたか分からなくなるからだ。そういう訳で、私は、自慢のスピーチを約90秒程度したわけだが、「相変わらず、何をいっているかさっぱり分からないね」と壇上を降りた私は言われる。意味不明の人だね。というか、他人に分かってもらおうと言う気がないのが、問題である。勿論、アメリカの意向に沿って、郵政民営化したことを発表した訳ではない。売国奴首相め。
インドである。インドで思い出深い光景と言えば、大抵は、それは、人である。格差であり、思想であり、乞食であるのだが、風景もなかなか凄いものもあるのである。
カルカッタを出た雨季の列車は、目的地到着1時間前から大雨になっていた。ふと、窓から風景を見ると、大平原である。地平線の彼方まで、列車の両脇とも、泥水で埋まっているのである。陸が見えない。陸は、盛土されたこの列車の軌道だけなのである。
遠く、遠くに人影が見えた。膝ぐらいまで泥水に浸かっている。つまり、何十キロも先までの大地が、3、40センチの泥水に浸かっているのである。
聖地バラーナスも雨季の大雨は凄い。街の対岸は不毛の地と言われ、建物が一切なく、遠くに森があるのだが、雨季に、対岸が消える。溢れた川の水で。
それどころか、ガート(木浴場の階段)が消え、ガートに続くメインストリートのダッシャーシュワメート通りが泥水で浸かり、地下の中華料理の店などがなくなる。それは凄い光景であるとともに、そこに暮らす人々がそれを当たり前のように、やり過ごす。やっぱり、人が凄いか。
毎朝、トラックで運ばれて来て、人通りの多いバザールの入り口にポイっと置かれて、夕方に回収される、手足のない乞食も、雨季には、さすがに、道端に置かれず、棚の上に置かれる。そして、笑っている。
やっぱり、インドで凄いのは、人間かも知れない。