初めて飛行機に乗った、初めての海外のTG620便(タイ航空)は、通称、「ヤクザ直行便」として有名であった。1986年には、ヤクザが日本着陸直前で、拳銃の密輸が怖くなり、機内トイレに捨てて、暴発するという事故さえあった。
2007年、22年ぶりに乗るTG621便は、まだあった。乗客は、相変わらず、普通の飛行機とはちょっと雰囲気が違う。ヤクザはほとんどいないが、日本にいても、全然もてそうもないおじさんに、水商売外国人に、チンピラまがいの野郎、とにかく、男性乗客率が異常に高い。両隣のおっさんも、窓側はため息ばかりつくおっさん。やたらミンダナオ島のガイドブックを見ているが、そこ行ったよ、と声を掛ける気もなくす程、臭いおっさん。アイル側は、ずっとじっとしているのみのおっさん。おっさんとおっさんの間に、場違いとしかいえないような私(がそう思っているだけで、横から見ると、見知らぬおっさん3人組と見られていると思うと、少し悲しい)
帰りも2時間前に、空港についたが、まるで、アフリカやインド的効率の悪さで、チェックインに50分もかかった。一人あたり、4,5分かかっている。前に並んでいるのは、剥げおっさんに、デブおっさんに、チビおっさんに、派手なチンピラシャツを着た二人組みのおっさんに、大量に荷物のあるウォータービジネスっぽいおねえちゃん。イミグレも長蛇の列で、まるで、アフリカやインド的効率の悪さで、出国スタンプを押してもらうまでに60分もかかった。出国の上のプラカードには、自国民、外国人のプレートの代わりに、何故だか、マブハイ(乾杯)と書かれてあった。意味不明であった。