●トップニュースになった口蹄疫・韓国軍艦沈没の「真相」?●
前回このブログを書いてから一週間。宮崎県で猛威をふるう口蹄疫の惨状と脅威が報道されないことに疑問を呈したのだったが、その3日後あたりから急激に報道量が増え、いまや連日トップニュースとなっている。口蹄疫はかつて有力な豚肉輸出国であった台湾の養豚を、たった1回の流行で跡形もなく壊滅させたほど恐ろしい疫病だ。いまの扱いは、メディアがようやく事件の重量にふさわしい報道に到達したことを意味する。 だが、遅きに失したというべきか、もっと早くメディアが一斉に警鐘を乱打して世論を喚起しておれば、消毒は畜産関係者だけでなく一般にも徹底できただろう。いまさらの話で推定の域を出ないのだけれど、初動段階で徹底的な対策を取れなかったことがパンデミック(感染爆発)を招いた可能性は否定できない。赤松農相がのんきに(失礼)中南米外遊に出かけることもなかっただろう。まあ、これを理由に辞任要求を突きつけている自公政権が当事者だったら効果的な対応が出来たとも思えないのだが。(それはそれとして、赤松さんが有機農業大国キューバで何を話し合ったかには大いに興味がある。) 海外といえば、いま最もホットなニュースのひとつは、韓国軍の哨戒艦沈没の原因は北朝鮮の潜水艦による魚雷攻撃とする調査結果を、韓国政府が発表したことだろう。韓国はこの発表にあたり、当該する魚雷のスクリューなどの物証を提示。「北の攻撃以外に沈没の原因説明は不可能」として北朝鮮の関与を断定、国連安保理へ提訴する準備を始めたという。 これを受けて、米国は北朝鮮の行為を「休戦協定違反」(北朝鮮と米韓は法的には未だ戦争状態にある)として非難する声明を発表、韓国の安保理提訴を支持する意向を示した。こうした動きも観測した上でのことだろうが、鳩山首相は米韓と連携し「日本が先頭に立って走る」と発言した。おいおい、「先頭…」って、そんなに簡単に言っていいのか。軍事衝突への対処で「先頭に立つ」って、かなりやばいコトではないのか。そんな危険にこの国を引きずりこむ覚悟があっての発言か。 普天間基地問題をめぐる「5月末決着」発言や、辺野古の基地建設をめぐる「自然への冒涜」発言や、この人の発する言葉は一国のリーダーのそれとしては不用意で軽きに過ぎる印象が強い。一方、ヘタに対処すれば深刻な緊張関係に陥りかねないこの事態について中国の担当者は、非常に落ち着いた調子で「朝鮮半島の平和と安定に貢献する対処」を静かに説いていた。名前も知らない人だが、これこそがオトナの対応という気はする。 沈没事件の真相はよくわからない。軍事にはもちろん素人だが、頑丈な軍艦を真っ二つに引き裂くほどの大爆発を起こした魚雷のスクリューなどが、あんなに完全に原型を留めた形で残るものなのだろうか。それがまた、底引き網にこうも都合良いタイミングで海底から引き揚げられる確率とはどの程度なのだろうか。 さて、世の中にはこんな見方をする人もいる。→韓国軍艦「天安」沈没の深層 これを書いた田中宇(さかい)という人は、日本で最も早くタリバンを紹介するような先見性と、「地球温暖化はブレア英国首相(当時)の陰謀」なんて、目がテンになるトンでもな話を大まじめでする部分とが同居しているから、頭から信じることは出来ないし、もちろん我々には真偽を確認する手立てもないのだが、それをいうなら韓国の発表も同じコトで、これを鵜呑みにできるわけもない。どっちも眉唾で距離を置いてみるのが今は正しいと位置取りではないかと思う。 いわんや、これを盲目的に信じて「先頭に立って走る」などと口走る愚は慎みたいものだ。(^_^;) ←ランキングに参加してます。ワンクリックご協力を。