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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2007年12月30日
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テーマ:ニュース(99627)
カテゴリ:平和

 パキスタンで27日、ブット元首相が殺害された。ムシャラフ政権はアルカイダにつながるテロ組織の仕業としているが、名指しされた組織は関与を否定、実際のところ政治的背景はよく分からない。ただ、米国ブッシュ政権が内政干渉すれすれで描いた幼稚な安定化戦略は水泡に帰した。パキスタンの政情は当面、混乱を極めることになるだろう。

 こういう事件が起きると、パキスタンという国やイスラムという宗教に対し、ますます怖いというイメージが広がるだろう。それが「パキスタンびいき」には残念でならない

 パキスタンには10年ほど前、カラコルムをトレッキングした際に訪れた。おそらくイスラムの教えに従ってのことだろうが、男という男はほとんど例外なく見事なヒゲを蓄えていて、見るからにいかつく取っつきにくい印象を受けるが、実際には非常に人なつっこくて親切だ。自己主張は強いが、いったん話し合って決めたことは内容も時間もよく守る。義理人情にも厚い印象を受けた。つまり、日本人としては非常に付き合いやすい。

 このあたりは、お隣のインドの国民性とは大違いだ。ヒマラヤ登山の際に三度ばかり訪ねたインドも嫌いな国ではないが、約束をすっぽかすのは平気だし、仕事も時間もルーズで、一緒に登山などするときはペースが合わなくてホントに疲れた。さらにインドではどこでもお金に細かいのに閉口したが、パキスタンはこの点もどこか「武士は喰わねど高楊枝」みたいな雰囲気で全く違った。やはりイスラムの教義のなせるところではないかと思う。

 というわけで、パキスタンは大好きな国だから、現在の混迷ぶりには胸が痛む。その混迷を招いた根元はブッシュのいわゆるテロ戦争だ。ムシャラフというのもまあ感心はしない軍人政治家だが、あの程度のロクでもなさであれば途上国の首長には珍しくない。そのどちらかといえばタリバン寄りだったムシャラフを脅迫して、無理矢理テロ戦争に協力させたことが国民を激高させ、ただでさえ政情不安なパキスタンの内政を完全に機能不全に陥らせた。

 日本のような「法治国家」で暮らしていると実感できないだろうが、例えばカラコルムの山奥のある村でポーターを募集したら、カラシニコフ(ソ連製の自動小銃)と弾倉を担いだ村の男たちが、手頃な臨時収入の匂いを嗅ぎつけてゾロゾロ集まってきた場面を想像してほしい。賃金の交渉だけでこちらは喉がヒリヒリに乾ききった。(^_^;)連中、話してみれば気のいい農夫なのだが、そこから近い国境など意識したこともなく、政府の存在すらまったく念頭にない。つまりイスラムの大義のみに従い、いつでもジハード(聖戦)を戦うゲリラに転身できるフリーターって訳だ。

 この地域に、パキスタン政府の実効支配はまったく及んでいなかった。アフガンとの国境沿いは、だいたいこんな感じだそうで、軍隊も警察も管理しているのは地方の豪族だから、政府など「ンなの関係ねえ」って世界なのだ。つまり、パキスタンという国は元々、イスラムを標的とする対テロ戦争なるものの盾になどなりようがない国情だったのだが、ムシャラフは保身のためブッシュの要求を受け入れた。そして案の定の大混乱だ。で、この混乱を解決するためにブッシュ政権が考えた次の一手が、ムシャラフとブットの握手だった。

 この戦略、はっきり言って、子どもだましの愚作である。ブットは国民的人気があると言うが、それはムシャラフの現在の不人気の裏返しという面もあってのことだ。ブット自身はムシャラフより遙かに米国に近い。二人が握手してできた連立政府が、さらに米国寄りになれば、当面はブット人気でなんとかしのげるかも知れないが、やがてパキスタン国内の矛盾はさらに先鋭化するしかないではないか。

 だが、そんなブット人気に乗っかればなんとかなると考える浅はかさ。もちろん、テロは言語道断で絶対に許せないが、ブッシュ政権の浅はかな猿知恵が、一人のまだ未来ある重要な女性政治家をあたら死なせる結果を招いた面も否定はできない。頑迷なブッシュ政権ある限り、このような不幸や混乱はこれからも続くだろう。かくも迷惑千万なテロ戦争は、いいかげん打ち止めにしてもらいたい。

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最終更新日  2007年12月30日 23時50分36秒
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