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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2009年05月21日
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カテゴリ:環境

 またまた長らくのご無沙汰、まったく面目次第もない。書けないにはそれなりに理由もあったのだが、この件に限らず、いちど休むとさして抵抗もせずそのままズルズルいってしまう、とっても妥協しやすく飽きっぽい性格が一番問題なのだろうと思う。

 それはさておき、このブログで訴えた日本の温暖化ガス削減中期目標についてのパブリックコメントの概要が昨日20日わかった。折良く…というべきか、同じ昨日、国連気候変動枠組み条約事務局(在ドイツ・ボン)は、この中期目標を含む2013年以後の温暖化ガス削減の世界的枠組みについての原案を示した。

 まず、条約事務局の温暖化ガス削減案についてだが、大前提として科学の警告つまりIPCC(=気候変動に関する政府間パネル)の報告書の観点を正面から受け止め、今世紀の気温上昇を産業革命前から2度以内に抑えることを目標に据えたことが注目される。目標がしっかり定まれば、そのために必要な手だてもおのずと決まるからだ。 同案はこうして、世界全体の温暖化ガス削減の長期目標について、50年までに90年比50%~85%以上減、人口一人あたり排出量約2トン(日本は現在約11トン)などの数値を示した。

 また、そこに至るまでの2020年をターゲットとする中期目標については、各論併記の形で、先進国については最低25%~最大45%以上の削減義務を、また途上国については、何も対策を取らない場合(ベースラインという)に比べ「顕著に削減」~30%削減までの選択肢を示した。この案は、6月1日からボンで始まる作業部会における討議のたたき台となり、COP15(12.07~コペンハーゲン)に向けた国際交渉がいよいよ本格化することになる。

 で、その国際交渉に日本がどんな姿勢で臨むかを示すものが、パブリックコメントの対象となった日本の中期目標だ。パブリックコメントの結果については、内閣府のサイトを閲覧しても関連情報が確認できないため、ひと足早い新聞報道に頼らざるを得ないが、やっぱり…というべきか、最悪の選択「90年比4%増」案を支持する意見が約7割と圧倒的多数を占めたそうだ。いまさら言うまでもないが、正体は経団連の組織動員と考えて間違いない。それに次ぐのが政府が示した選択肢のうち、スレスレでIPCC報告書レベルをクリアする「90年比25%減」案で、これが全体の2割を占めた。こちらはまあ、コジローを含む環境NGOが草の根からかき集めたものだ。

 だいたい、政府が示したロクでもない選択肢からどれか選んで意見を出せ、…なんてこのパブコメの構造自体がどだい世論誘導であって気に入らないのだが、といってパブコメが全員一致4%増なんて結果になって、そんじゃまあ…と、これが国の目標になってはエラいことで放置できないから、オカミが作った歪んだ土俵に乗る気持ち悪さを我慢しながら、意見を出したというのが環境NGO共通の感覚ではなかったかと思う。ともあれ、2割ではあれ、会社の業務命令めいた組織動員に対抗する地歩は確保できて良かった。

 といった経過を見ても最近つくづく思うのだが、これはアンシャンレジーム(フランス語=旧体制・旧秩序)との闘いではないか。日本の経済界といったって一枚岩ではない。日本の経済界を支配するのは電機事業連合と鉄鋼連盟と言い切って間違いないと思うが、新しいエネルギー分野や新世代の自動車などに活路を見いだそうとする企業には、化石エネルギーにいつまでもしがみつく彼ら経済界指導部の徹頭徹尾保守的な姿勢は、将来のビジネスチャンスに向けた事業再構築への妨害物にみえるはずだ。このままでは低炭素経済のリーディングカンパニーをめざす世界の競争から脱落するのではないかと、不安を口にする経営者も少なくない。 

 2050年に低炭素経済を実現する以外に破局を避ける選択肢はない。今から90%以上CO2排出を減らした世界を想像してみて欲しい。コークスを炊いて豪勢にCO2を出す高炉製鉄や、化石燃料で電気を起こす発電所など、否応もなくまもなくこの世から消え去る運命なのだ。…んな滅びの呪いにとらわれたヤツらが一秒でも長く生き延びようともがき、アンシャンレジームの維持にしがみつく分だけ、人類の生存は危うくなる関係にある。この支配を一刻も早く終わらせなければならない。現代のブルボン王朝を安楽死させるギロチンは圧倒的な世論のなかにこそある。業務命令に負けないNGOの運動の広がりが必要だ。

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最終更新日  2009年05月21日 09時26分58秒
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