テーマ:映画館で観た映画(8356)
カテゴリ:映画★アニメ
意外と面白かった。 でも、もしかして原作よりカットされてる部分もあるかも。 ほんとにゲームのRPGやってるような展開です。 最初の装備もゲームと同じよう。でも、このゲームだと。 この後装備が大して増えていかなかったなあ。 せいぜい「ハイランダーの腕輪」くらいでしょうか。 でも、剣につけていく宝玉のもつ魔法も装備アップにはいるかな。 話のテーマも最後に主人公のワタルが自分の口から直に語られるし、非常にストレートでわかりやすい展開のお話です。大人も子供も素直に楽しめるし、どういう意味か悩む部分はそんなにないし、気楽に楽しく見られる作品といえましょう。 ファンジーなら当然出てくるドラゴンもちゃんとかっこよく出てきてくれたので満足です。 私はドラゴンフリークですので。 ところで最初と最後にかえるが出てくるでしょう。 最初のカエルはコトバの謎解き。「カエル」→「帰る」 どこにも出口のない部屋から脱出するための謎解きの答えです。 ワタルは何とか回答にたどり着いてカエルの像にのみこまれて、脱出しました。 でも、帰れたわけではありませんでした。玄界での旅の始まりでした。 そして、ラストでも、カエルの化け物が登場します。 最初と最後にどちらもカエルなのはなぜでしょう。これこそが作者宮部みゆきの語ろうとした部分だと思うのです。 ラストにおけるカエルは「変える」というコトバの謎解きでした。 それはつまり、 運命を変える 願いを変える 自分を変える 世界を変える 「変える」というコトバから作者は多くのメッセージを語っています。 それはブレイブストーリー公式サイトでも、宮部みゆき自身の言葉で語りとかれています。 それこそがブレイブストーリーが語ろうとしたことであり、最後に主人公ワタルが語ったことです。 生きていく限り辛いことがあってそのたびに誰かに何とかしてもらうわけにはいかないこと。 だから、自分自身が、それらを受け止めて、生きていけるように、自分で自分を変えるしかないんだと。 ところでもう少し前に戻ると、ラストボスは自分自身の影でした。 自分の影と戦い向かい合い、自分の中に取り込むという展開は、実はこれから公開される『ゲド戦記』の原作の一巻『影との戦い』のまさにラストシーンそのものなのです。いいんですか、これからゲド戦記やるのに。ぱくっているのか。わざとなのか。 ワタルはもちろんストーリー中ずっと危ないときに助けてくれた謎の声のアドバイスによって、気づきます。その影は自分自身そのものなのであって、いくら自分に剣を向けてきても、決してその影を傷つけてはいけないことにきずきます。そして、自分にそっくりなその影を自分の中に取り込むことが出来ます。 けれど、実際自分にそっくりな姿かたちをしたものが、いくら剣を持って自分を殺そうとしてきても、はたして、その相手に剣を振って、傷つけたり、殺したり出来るでしょうか。だって自分にそっくりなんですよ。 こんな場面になったら、果たして私は影に向かって剣を振り下ろすことが出来るでしょうか。 それはつまり、自分という存在を愛しているかどうか、自分で自分が好きかどうか、まさにその自分自身の生きる姿勢を問われているということでしょうか。 自分が嫌いなんて思っている人結構いるんじゃないでしょうか。 それはつまり自分の欠点が嫌いってことだけど。 だから、自分自身の影になんの迷いもなく剣を振り下ろせるミツルってとても怖い。 そこまで自分にできるほど、彼の運命は過酷でつらいものだったので、やはりミツルの運命は変えようのないものだったのかもしれません。 自分で自分を愛せなければ、いたわれなければ、好きでなければ、自分の運命を変えることも、自分自身を変えることも、出来るわけなんかない。 自分の影の部分もマイナスの部分、欠点の部分も、全てひっくるめて受け止めて初めて、運命を変える女神に会うことが出来る。 そして、子供にとって絶対的な存在だった、両親が、自分の欲望を抑え続けなければならない現実のつらさに疲れてしまった父や、病気に倒れてしまった母が、それぞれ弱い部分をもった一人の人間であることを知った時、ワタルは一歩大人になったのでしょうか。 玄界の魔術師によって見せられた父の幻影がかたる言葉はワタルを惑わすための偽りであるようにも見えるけど、私はこれはあるいは本音であって現実の世界では決してワタルが聞くことの出来ない父親の本音なんじゃないかと思うのだ。 現実の世界にあっては逆に惑わされて見えなくなってしまっているものが、玄界という幻影のような世界の中で逆により鮮明にストレートに見えてくるというのもまた、面白いもので、それゆえにこそ作家が幻想世界を作り上げてまで、ファンタジーという形を借りて、描きたいと思うものなのかもしれない。 ゲーム面白そう。やろっかなあ。
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