テーマ:DVD映画鑑賞(13631)
カテゴリ:日本映画
娘が借りてきたのを一緒に見たんだけど、何気にいい映画だった。ごく普通の邦画で、普通の家庭の事件が描かれただけのものだけれど、意外に面白かった。主人公の女の子佐和子(北乃きい)がかわいすぎない、自然なかわいさで、見るからにいい子だなあという感じなんだけど、でも、別に優等生なわけでもない。そのボーイフレンドの大浦君がまた、すごく素敵な男の子で、それほどハンサムなわけでも、頭がいいわけでも、優等生なわけでもないんだけど、なんだかとにかく言動や行動がおもしろくて、高感度高かった。 教員の仕事に行き詰って自殺未遂し、「おとうさん」をやめた父親。そんな夫にショックを受けて、「お母さん」はやめてないけど、妻であることをやめるために家をでて、一人暮らしをする母。エリート優等生をやめて、農業をする兄。そして、普通の中学生の主人公。 いつのにまにか自分では気づかないうちに世間一般が求める理想の家族を演じていた家族。父の自殺によって始めて自分たちが自分たちをいつの間にか世間の常識によってがんじがらめにしていたことに気づく父、妻、兄。 父の自殺はショックな事件だったけれど、それをきっかけにまじめな家族構成員であることを辞めた中原家の人たち。 家族である前に一人の人間として自分の望む人生の送り方をもう一度探り始める父、兄。そしてそれをはなれたところから、そっと見守る母。 「家族はもっとあまえてもいいんじゃない。」という、兄のガールフレンドの言葉がこの物語の究極のテーマなんだろうけれど、ほんとになんだか今の家族ってお互いにあんまりわがまま言わなくなってるかもしれないなあと、思う。 もっと、家族で愚痴をいったり、わがままいったり、つらかったら、家族の前で大泣きして、騒いで家族をはらはらさせたりしてもいいのに。と、思う。 いい父親になろうとしてこわれちゃったお父さんや、きちんとやっているつもりだったのに、壊れてる夫の心に気づけなかったことにショックだったお母さんや、壊れちゃった父親をみて、自分の未来を重ねてみてしまった挙句、エリートをはずれた兄。 いい父親や、いい妻じゃなくても、もっと家族で許しあって、やさしくのんびり暮らしていってもいいんじゃない。と、思う。 そんな状況なのに、主人公佐和子が、すれもしないで普通に頑張って生きてるのが不思議だ。 でも、そんな佐和子の、まだ十六歳の少女が身近な人の死に二度もかかわることになるというのは、ちょっと過酷だよなあと思う。 友達や恋人は替えが聞くけれど、家族はそんなわけに行かないから。だそうだけど。そのために殺されちゃう大浦君てあんまりだなあとも思った。 さわやかなラストがなんとなく、そんな~~~~~~~って気分だったかも。 『幸福な食卓』補足 幸福な食卓@映画生活 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月03日 20時30分11秒
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