カテゴリ:社会系エッセイ
お正月のこんなゴールデンタイムに4時間以上もこんな知的な番組が放送されるなんてかなりうれしいことでした。3日の午後6時半からTBSで4時間半の放送でした。しかも、見てみたら、すごく面白かった。かなりわかりやすくて見やすく作ってあって、我が家の夫や娘、さらに塾から帰ってきた息子までが面白いと、見入っていました。とてもよく工夫してあって、本来はとっつきにくい、ローマ帝国の興亡史を漫画やドラマをうまく組み込んでわかりやすくつくってありました。 TBS新春超歴史ミステリー古代ローマ1000年史!!空前の巨大帝国全解明スペシャル 昔、『ローマ帝国の興亡』のダイジェスト版を通して読んだことはありました。原作はものすごい長編なので、ダイジェストでも、読み通すのはたいへんなのですが。でも、あれを読んでもよくわかっていなかった、ローマ帝国のいろいろな事件がどんな意味をもっていたのかが、よくわかりました。現在では映画のタイトルで有名な『ハンニバル』という名前が実はローマ帝国に戦いをいどんだ「カルタゴ」のものすごく強い将軍の名前だったことも再認識できたし。 ハンニバルの戦略は今の時代にも評価の高いものなのですね。 そして、共和制からはじまったローマの政治形式が、ローマが大きくなるにつれて、皇帝制にかわり、やがては、独裁政権になっていくのに驚きました。 今までわたしは、専制君主制から、近代的な政治形態として民主主義が出来たんだと思っていたのですが、ローマ帝国では、最初は民主的な共和制の制度がやがて皇帝による政治にかわり、最後は独裁政権になってしまうというのは、目からウロコのオドロキでした。 初期の皇帝は、今でいう大統領みたいなもので、国民ないしは、市民の代表として、市民に代わって政治をする人。 けれど、たった一人に政治の全権を任せるといつかは独裁政権になってしまう怖さ。一人のリーダーによる統治はその人物が有能であれば、すごくいいことなのに、独裁になった時は、非常に怖いことになる、諸刃の剣なわけで。 アメリカの大統領が独裁者になったりしないのかな。今現在でも、大統領の権限で戦争始めちゃってたりするわけだし。 それはそれとして、一番すごいなと思ったのは、ローマ帝国という国が、1000年という歴史を通して「寛容」の精神を貫いていたことです。初期には、周りの民族と戦い勝ったあとは、奴隷化せずに同等の身分で相手の民族にもローマの市民権をあたえ、支配するもの、されるものという関係ではなくて、たたかいのあとは、相手をゆるし、同じ立ち居地になろうとするあり方。最初の皇帝シーザーも、戦った後に敵を許しますが、もしかしてその相手から恨みを買って殺されてしまうかもしれない。けれど、それでも、いいから、相手を許したいという覚悟。さすがにジュリアス・シーザーは偉大ですね。自分という存在よりも大切なものがある。 この長い年月を通してもうしなわれることのなかったローマという国の『寛容の精神』が国をささえ、繁栄させていた最大の理由だったのですね。 とにかく、お正月から、こんな面白くて知的な番組を作ってくれて、ありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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