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2009年09月04日
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カテゴリ:日本映画
みてきましたが、不作ですね。

ラストは、原作にない部分つぎたしてあって、話としては、原作では分からなかった部分が補完されたかんじではありますが、時代的なズレがあるなぁと、思う。

この話の主人公の少年時代というのは、だいたい昭和40年代のはずです。ところが、ラストにでててくるイジメのシーンでの、お葬式ゴッコのような壮絶なイジメがはじまったのは、もっとずっとあとです。だいたい、10年から20年くらいのずれがあります。だから、おかしいのだ。

この物語は、作者浦沢直樹の自伝的な部分もあり、私の生きた時代とほぼ同じ。同世代ですから、おかしいなと思うところはおかしい。と、分かる。お葬式ゴッコをやるような壮絶なイジメは、私がもう成人したくらいの時に、その当時の中学生の世代で行われていたからです。

これは、たしか原作にはかかれていなかった部分。でも、『トモダチ』が過去の友達に仕返しをするという展開である以上、そのくらいの壮絶なイジメがないと、なりたたないと、考えたのかもしれません。

実際には、主人公ケンヂがした万引きを、トモダチに間違って嫌疑がかかってしまい、それをきっかけにして、小学校、中学校と、いじめられ続けたことに原因していたという結末です。
でも、その程度のことだとすると、トモダチガ、世界中の人間を殺すほどのしかえしをするにいたるとはおもえない。

実際には、万引きだけが、イジメのきっかけはにならないのでは。それ以外の要素をトモダチがもっていたのではないでしょうか。

今回の映画。シナリオ自体がダメダメです。そして、これだけの長い話を三回分に詰め込むのは、やっぱり無理だったようで、最終話は、消化しきれずに、それぞれの登場人物に自分のことを語らせることで、なんとかストーリーをこなしているけれど、盛り上がらないしつまらない。
そして、ラストの展開で、物語のテーマが「トモダチ」という恐怖物語のミステリーものという終わり方で、終わってしまった。

そもそもこの物語のおもしろさは、20世紀少年というタイトルが語るように20世紀後半に少年時代を送った、作者やそのほかの40代の人間たちの回想や、夢の実現物語という、爽快さにあるのだから。

子供の頃想像した、『世界を破壊しようとする悪の帝王を、英雄や勇者になって倒す』という、当時のアニメやヒーロードラマに影響をうけた少年たちの夢語りの実現。

青年時代に夢見た、シンガーになって、大観衆の前で歌うという夢の実現。

そして、当時の有名人の登場に懐かしさを感じるおもしろさ。三波春夫や、トキワ荘や、不二子フジオ、忍者ハットリくんや、ウルトラマン、などなど。

けれど、そういう夢の部分だけを描くと薄っぺらい夢物語になってしまうところに、「トモダチ」という人物が配されることで、物語は深みを持ち、
多重構造のわくわくするけれど、ハラハラドキドキする、そして、懐かしいというたくさんの要素を持ったおもしろい物語になっているのだと、思う。

けれど、映画では、ラストでなぜ、ケンヂが大観衆の前で歌うシーンになるのか、そこに至るまでの部分の描写が薄くて、どうしてなのか、わからなかった。

ラストでも、草原に突然ひょっこりあらわれる「トモダチ」って、なんでなのかわからなくて、都合よすぎ。

過去のイジメ部分がオーバーすぎて、原作の面白さが壊されてしまった気がする。それと、あれだけいじめられている少年が、他の人に自分から「トモダチになってほしい」なんて、絶対言えないはずだ。もし、ケンヂが過去を清算したいなら、ケンヂから、彼に向かって友達になろうというべきだと思う。

それから、13号が、ヘリコプターに乗って、トモダチのつくった、細菌をばら撒くためのUFOを破壊するために、ヘリコプターごと突っ込んでいくシーンが、戦時中の「特攻」のようで、私は不愉快だった。今の時代、命を大切にすること、「特攻」のような、命を無駄遣いさせるような行動を否定しようとしている時代に、このての映画でこんな方法で物語を進めるのは止めてほしいと思う。


とにかく、見終わってうーんと思った。せっかくのいい原作なのに。というより、原作がいいものだからこそ、なおさらいい映画にはしずらいのだろう。



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20世紀少年〈最終章〉ぼくらの旗@映画生活

           






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最終更新日  2009年09月05日 19時35分46秒
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