必殺仕業人 第7話「あんたこの仇討どう思う」
だるい。必殺仕業人 第7話「あんたこの仇討どう思う」前作『仕置屋稼業』が陽なら『仕業人』は陰。暗くてしょぼくて何で家に帰ってこんなもの見せられなきゃならんのか切なくなる。見なければ良いだけなのですがネ。その気持ちは主水も同じ。超甘党で下戸だったのが昼間から酒を飲むようになりました。剣之介とお歌は今日も受けない芸を披露。そこに浪人・芦川次郎左エ門(村井国夫)が娘のおさよに手を引かれてやってくる。そして座り込むとエエ声で門づけを始めるが、聖天一家にショバ代一両と売り上げを要求されぼこぼこにされる。お歌は芦川とおさよが気になり掘っ立て小屋に招待する。目が不自由な芦川はヤングケアラーのおさよと旅を続けていた。おさよは素直で優しい。しかしお歌から母親のことを聞かれると芦川が「それについてはどうかこれ以上はお聞き下さいますな」と止めに入る。芦川はおさよを連れて役者・生駒屋清三郎を訪ね回る。ある日、捨三は贔屓の女郎屋でおはまという女郎が二度も死のうとしたことを耳にする。おはまは売り出し中のイケメン役者・生駒屋とデキたが、聖天一家の親分・政五郎(自転車刑事)を通じて女郎屋に叩き売られていた。その話を聞いている時、生駒屋を探しに芦川がやって来るが、聖天一家に追い返される。剣之介は主水に芦川がまともに稼げるよう聖天一家に掛け合えと無茶を要求。そこに捨三が吉原で芦川を見かけたと報告してくる。その夜、剣之介は芦川にぶっちゃけ事情を聞く。芦川が持っている刀は備前長船の作、自分の命であり何があっても手放さずにきたと話すが、生駒屋を探している理由だけは頑なに拒む。ある日、芦川とおさよが門づけをしているとファンに囲まれた生駒屋がやって来る。しかし芦川とおさよの顔を見た途端、真っ青になって政五郎の許に駆け込む。生駒屋は芦川の妻を寝取り、情事に耽る二人をおさよが見ていたのだ。生駒屋と政五郎は美女をたらしこんでは女郎屋に高く売りつける悪のビジネスモデルで荒稼ぎしていた。そんなこんなで芦川はおさよを連れて再び吉原に乗り込むが、聖天一家に抵抗されて大騒ぎ。聞き覚えのある声におはまが表に出ると変わり果てた姿をしたおさよがいた。おはまは芦川の妻であり、おさよの母親だった。再会を果たした親子三人。捨三からその話を聞いていた剣之介は改めて芦川にぶっちゃけ確かめる。膳所藩の侍だった芦川は参勤交代で江戸詰から国許に帰るが、おはまはたまたま京に来ていた生駒屋とイイ仲になりおさよを残して出奔していた。芦川は家事不行き届きの廉で長の暇を与えられ、その屈辱と不名誉を晴らすためには女敵討ちに出るしかなく旅に出たが、おさよが後を追って来た。しかしおさよにはこの旅の意味が分かるのだろうか?それを思うと心が重たく、いつしか目を患ってしまう。「それからの旅は暗闇だった。頼るのはおさよの目。私は仇の顔を全く知らぬ。おさよに確かめてもらうほかなかった」。そして生駒屋の巡業を先回りしてやっとの思いで江戸に辿り着き、行った先の吉原でおはまと再会、おはまのその後のことも知る。おはまはおさよと再会し、芦川に成敗される日を待っていた。しかしおさよには母親が必要だ。そして今更生駒屋を斬るつもりはない、斬ったところで帰参が叶う訳でもない。「全ては悪夢。ただ一言生駒屋晴三郎から私とおはま、そしておさよに済まなかったと一言聞くことが出来れば・・・それで・・・それで良しと無ければならないではないか」と剣之介に打ち明ける。生駒屋だけを斬って不義密通のおはまだけ許す訳にはいかないからだ。その夜、芦川はおはまを身請けするため刀を売って五十五両の金を捻出する。その帰り道、聖天一家に襲撃される。通りかかったやいとやにおさよは助けられるが、芦川は五十五両を剣之介に渡すようやいとやに託すと息を引き取る。そして主水が政五郎をブッ刺し、やいとやが生駒屋を始末、聖天一家の用心棒を剣之介が絞殺する。数日後、今日も受けない芸を披露している剣之介とお歌の前に江戸を発つおさよとおはまが姿を見せる。おはまは五十両で身請けされたようだ。その頃、牢では銀次が放免を阻止するためふんどしを盗んで大騒ぎ。ばかばかしさに笑いがこみ上げてくる主水。お・わ・り