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テーマ:いまさら、ビートルズ。(617)
カテゴリ:音楽
リボルバーのセッションが始まったのが、1966年4月6日。 その1週間後にEMIのお偉方から次のシングル作成の指示を受ける。そこで、4月13日にペーパー・バック・ライターの録音が始まる。 まず、ポールが、シングル用の自慢の新曲をスタジオで披露し、皆を納得させた後、早速メンバーにパートの説明をするその前に、ジェフ・エメリックにベースの音をもっとモータウンぽくしてくれ、という要求をする。 通常の録音は、ベースアンプの前にマイクを立てるやり方で、そのやり方で、そこそこの音は録れたが、まだ、アメリカのモータウンのベース音に比べると音量、質感ともに劣っていた。 4月13日午後8時から午前2時30分まで続いたペーパーバックライターの録音の最中のおそらく早い段階でジェフにひらめきが訪れる。 スピーカーの配線を逆にして、スピーカーをマイク代わりに使用するとどうだろうか、と。 スピーカーとは配線を逆にした大きなマイクのようなもので、低音をよく再現できるなら逆によく拾うこともできる。そのアイディアが採用されペーパバックライターのベースはアンプの前に置かれた巨大な配線を逆にしたスピーカーで録音された。 このリボルバーセッションになって、ビートルズはスタジオで起きる変な仕掛けに慣れっこになり始めていた。 また、この曲のベースは低音弦のハイ・ポジションで構成されているため、よりいっそう音色が滑らかに感じられる。そして、ヴォリュームは針飛びを起こすくらいに録音され、ポールはいたく気に入る。 翌4月14日、午後2時30分から7時30分の間に、ポールのリード・ボーカル、ジョンとジョージのフランス語のバック・ボーカル(frere jacquesというフランスの童謡)など多数の音が録音される。 7時30分から30分で、完成したレコーディングからモノミックスが作られる。 のちにトニー・クラークがそのベース・サウンドをアセテート盤にうまくカティングする。(通常の技術者なら、ベースの録り直しを指示してくるはず。それくらい常識を超えてる音量だった。) オートマティック・トランジェント・オーヴァーロード・コントロール(自動過度信号加入力制限装置)ATOCの開発でそれまでのシングルより大音量で録音可。 この曲のベース音はどう聴こえるだろうか。確かにブイブイ言わせたベース・サウンドだと思う。 このベース・サウンドも、リボルバーセッションで初めて生まれた記念すべき音である。(この曲はリボルバーには収録されていない。リボルバーな空気の中で生まれた。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.04 06:54:36
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