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カテゴリ:酒
北千住に着いたときスマホは電池切れだった。 銭湯に入って体をリラックスさせようと思っていたので、駅前の看板を見たり本屋を探してみた。 北千住は銭湯タウンでもある。日本人の心象風景が顕在化したような銭湯がここにはある。
駅前の地図には銭湯は載っていない。 本屋もすぐには見つからない。 ならば、充電したスマホ検索をするしかない。
マクドナルドの看板が目に入る。 充電しようと北千住駅西口ロータリーに2階構想で広がる階段を降りようとすると、きらびやかな路地の入り口が目に入る。
急に高校生じゃないんだから、マックで充電しないで立飲みやで、ビールを飲みながら充電を待つほうが年相応だと思って、充電のできる場所を探す。
ふらりと入りたくなる魅力的な店がたくさんある。 充電する場所を探すより、どの店が面白そうか、別のところに意識が働いてくる。
『携帯充電』という看板が目に留まる。 引き付けられるがエビ料理のお店で、頭の中に、高脂血症で食べてはいけない食べ物リストにエビがあることに気が付いた。 もう少し先へ行こう。
ベルギービールの店があった。 店の前の看板にぶら下がっているメニューを手に取る。 ほとんど、ブラッセリーか、小西酒造取扱い銘柄が中心だ。 だが、値段が安い。 都心のベルギービール店よりも安く飲める感じだ。 おやじ飲み屋の路地の中で、異彩を放つ場所に思えてきた。
面白そうだから入ることにした。 店は、女性が一人で切り盛りしていて、樽の詰め替えや、ケグの洗浄などを行っていた。 カウンターに座ろうと思ったが、テーブルに誘導されたのは、ケグの洗浄があったためかもしれない。 作業に近くないほうが確かに落ち着くが、気軽に話しかけるにも少し距離がある。 樽のプリムスを頼む。しっかり味わうと、複雑な味がする。麦の芳醇な香りと甘さがあり、何かしらハーブを加えたような口にアフターフレーバーが残る。 それらをもっと的確に表現できるようになりたい。
やがて、一人のTシャツ姿の恰幅のいいビール好きという体型のおじさんが入ってカウンターに座った。 常連のようだ。
さて、やがて、カウンターの男性に好きなビールはと、話掛けながら、席を移動して付け替えたばかりの樽の銘柄について話が始まった。 セリス氏作のホワイトビールだそうだ。 たしか、セント・ベルナルデュス ウィットだと思う。 それをお店の人に少しいただいて、テイスティングしながらビール話が始まった。
セリス氏は2011年に亡くなられている。 セリス氏の新作と聞いたが、まだ存命されている訳ではなさそうだ。 ベルギーのヒューガルデン村で牛乳屋の息子として生まれたセレス氏が途絶えようとしたホワイトビールの伝統をつないだ。 彼のおかげでカルピスのような、マッコリのような甘い、香りのいいホワイトビールを2013年現在も楽しむことができる。
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Last updated
2013.12.03 23:31:48
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