ブログ「鉄道幻灯館」

中央本線（西線）には、これまで夏に2度ほど乗ったことがあったのですが、秋は初めてでしたので、沿線の山がどのような色になるのかが楽しみでした。結論から言えば「黄色い秋」でした。もちろん「赤」もあるのですが、全体の割合から言えば、圧倒的に「黄色」が主体となっていました。中央本線（西線）沿いの「こうよう」は「紅葉」ではなく「黄葉」なのですね。

南木曽のSL公園でD51の写真を撮ったあと北上を続けました。次の目的地は、寝覚ノ床でしたが、国道19号線を走っているうちに、程よいカーブとその向こうに見える山が何とも美しい場所を見つけました。急いで車を停め、撮影できるかどうかを確認すると、望遠レンズでバックの山を引きつければ、まさしく「錦秋」といえる画面を構成できそうです。

時刻表を見れば、ほどなく列車がやってきそうなので、線路際で待つことにしました。セッティングが終わってからも、ズーミングのシミュレーションを何度か繰り返し、万全の体制で待ち構えました。ところが……。

突然、レンズを構えていたのとは反対側から列車が近づく音が聞こえてきました。とっさに向きを変え、やってくる電車を撮影したのですが、本来予定していた構図は後追いのものになります。仕方がないなあ、と思いながら、通り過ぎた電車に対してシャッターを切ったのが、本日の「思い出の１枚」なのですが、このあと、もう1本同じような状況で撮影してようやく気がつきました。カメラを構えていた場所は下り専用の区間だったのです。レンズを構えていたのは上り列車に対する向きですから、いくら待っても、その方向から電車はやってくるはずがありません。分かってしまえばどうということはないのですが、最初は訳が分かりませんでした。良い勉強をさせてもらいました。