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カテゴリ:objects/物体
もらったり、拾ったりしているうちに 手元に集まってしまった古いガラス製の薬瓶。 気泡の入ったガラスでできた、コルク栓でふたをするようになったものはおそらく明治・大正ごろのもの。 金属製のふたをつけるために口のところにネジがきってある一番ちいさなものは昭和のものでしょう。 * * * 一番左の八角形断面の瓶は大学の構内で拾ってきたもの。 古い大学なので変なものがときどき落ちています。 側面には、 「参天堂薬房」「SANTENDO COMPANY」 「大学目薬」 「DAIGAKU EYE-LOTION」 と書かれており、目薬の入っていたことがわかります。 ローマ字が使われていますが、おそらく当時としてはハイカラだったのでしょう。 「参天堂」は現在の参天製薬の前身にあたります。 明治23年(1890)、田口謙吉によって大阪北浜に創設され、 最初は「田口参天堂」と名乗っていました。 「大学目薬」はその大ヒット商品で、明治32年(1899)に発売が開始されました。 当時の目薬は、ガラス棒が附属しており、棒に薬を浸してから目にさしていたそうです。 昭和7年に、点眼用の小さな注ぎ口がつけられた「両口ガラス点眼瓶」が登場し、ガラス瓶から直接点眼できるようになりました。 つまり、手元にある大学目薬の瓶は、明治32年~昭和7年の間に作られたもののようです。 また、この瓶には「参天堂薬房」と記されていますが、社名が「参天堂株式会社」に変更されたのが大正14年(1925)なので、瓶の製造年代は、明治32年~大正14年にしぼりこまれます。 薬瓶一つで、ちょっとした歴史の勉強ができました。 * * * 参天製薬 http://www.jabira.net/enkaku/sa/santen-pharmaceutical.htm 参天製薬の歴史 http://www.santen.co.jp/company/jp/history/chapter1.jsp 伝統薬ロングセラー物語 大学目薬 http://www.tokakyo.or.jp/dentoyaku/daigaku/index.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私も、1つ小瓶を持っています。
何処の国で作られたかわかりません。 購入先は、イギリスアンティークショップですが。 薬瓶にそういった歴史があったとは・・・ 勉強になりました。 (2006.10.05 12:51:03)
文字でも書いてない限り、どこのものかはわかりませんよね。
でもいろいろみていくうちに似たものが見付かったりして、 答えがわかるかもしれませんね。 (2006.10.07 22:26:09) |