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2008年12月20日
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カテゴリ:シリーズ幕末史

お久しぶりです。

大河ドラマ「篤姫」も放送が終了しましたね。
このドラマ人気のおかげで、今年はちょっとした幕末ブームだったように思います。

徳川幕府の終焉に際しては、篤姫もそうですが、
やはり、最もめざましい働きをしたのは、なんといっても勝海舟でしょう。

鳥羽伏見の戦いに敗れて、江戸に逃げ帰ってきた慶喜にかわり、
徳川幕府の幕引き、徳川家の存続について尽力しました。

この時、慶喜は、海舟によって救われたといえますし、
明治になってからも、慶喜の赦免や慶喜の明治天皇との拝謁実現のため奔走したのも、
勝海舟でした。

これほどまでに、慶喜の名誉回復に尽くした海舟ではありますが、
しかし、この両者。
幕末の段階では、ウマが合わない2人だったようです。

海舟にとっては、家茂との方が関係が密接で、
家茂に対しては、よく話し相手にもなり、親しく献言したりもしていましたが、
慶喜との間には、すれ違いも多く、
両者が直接かかわりをもったのも、第2次征長戦の戦後処理の時と、
意外と遅かったのです。

海舟も、慶喜に対しては、期待をしていたのですが、
その度に、期待を裏切られるということが続き、
また、慶喜から始めて直接の指示を受けて働いた時にも、
改めて、絶望感を受けることになりました。

海舟にとっての慶喜とは、
反発しながらも、期待をしているというような、
思えば微妙な主従関係でありました。

そうした、海舟の慶喜のもとでの初仕事。
まずは、その背景からです。


慶応2年(1866年)5月。
海舟は、失脚中で、江戸の自邸に閉居していました。
そこへ、突然、登城するようにと指示が来ます。
江戸城へ行ってみると、
海舟は軍艦奉行に任じられ、大坂へ向うよう命じられました。

時は、まさに、第2次征長戦が始められようとしている頃で、
薩摩が出兵を拒んでいるため、会津との間柄が険悪になっているので、
調停するようにとの指示。
海舟は、薩摩と会津の間を走りまわって、両者をなだめます。

しかし、やがて、長州との間に戦端が開かれました。

この第2次征長戦において、
慶喜は積極論者で、戦況が不利となり、家茂が大坂で死去してからも、
なお、陣頭指揮をとって戦うと主張し、朝廷からも戦争続行の許可を取り付けたりしていました。

しかし、小倉口の戦いで、小笠原長行が戦線から遁走したことから、
幕府方の不利は決定的となり、慶喜もついに戦争終結を決断します。

主戦論を引っ込めるための筋立てが欲しい慶喜。
そこで、目をつけたのが、越前の松平春嶽でした。

この頃、松平春嶽は、
諸侯会議を開催し、これにより今後の政体を決議すべしという主張をしていました。
そこでは、幕府の存在を前提とせず、衆議によって選ばれたものが、
政権の中核を担うということが想定されていました。

慶喜は、主戦論が頓挫した現状では、この案に賛成するのが良いと考えました。
なにより、春嶽の協力を取り付けたかったのです。

長州への、講和の使者。
春嶽はこれについても、勝海舟が良いと慶喜に進言します。

慶喜は、海舟を呼び、長州へ行って終戦交渉をするように命じました。
まさに、これが海舟にとって、慶喜の指示を受けて働く初仕事でありました。

海舟は、松平春嶽から諸侯会議の話を聞いていて、
慶喜に、その実施、
つまり、幕府を解消し、諸侯会議による新政権をめざすこと
についての確認をとります。

海舟は、そのためになら尽力するといい、
長州へと向います。

長州との会談は、宮島で行われました。
海舟は、海軍操練所時代の人脈を通じて、
長州側と話をすすめ、
また、慶喜との確認事項を長州に話し、幕府は今後一新すると長州に説明しました。

その結果、海舟は、長州は幕府軍を追撃しないという約束をとりつけ、
講和の話をまとめることに成功します。

しかし、この諸侯会議の開催について、
慶喜は本気ではありませんでした。

結局、この会議は、集まってきた諸侯に対して、
慶喜がねぎらいの酒宴を催すという内容に変えられてしまいました。

松平春嶽は、怒って越前に引き上げてしまい、
長州から戻った海舟も、江戸へ戻るよう命じられました。

結局、利用されただけのような形になった勝海舟。
後年、この時のことを
「長州を売った」ように思われてもしかたがないと述懐しています。

慶喜は、この後も、対応のうまさや、弁舌の巧さ、などを武器に
ひとりで、薩長と互角以上にわたりあうなど、
その能力には抜群のものがあると、私は認めているのですが、
なにせ、その場しのぎのような、策が多すぎる人ですね。

そうした中で、慶喜はついに15代将軍となり、
本格的に、幕府の舵取りを担っていくことになるのです。





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最終更新日  2008年12月20日 18時53分28秒
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