カテゴリ:シリーズ京歩き
毎年、春と秋に行われている、京都の非公開文化財特別公開。 先日、GWの休みを利用して京都・岩倉に行ってきました。 今年は5月1日~10日までの間、特別拝観が実施されていて、 14ヶ所が公開の対象となっています。 そのうちの、岩倉具視幽棲旧宅、実相院、心光院に行ってきました。 まずは、岩倉具視幽棲旧宅です。 岩倉具視は、和宮降嫁に際して主導的な役割を果たし、 これを実現させた中心人物でありましたが、 しかし、これにより、逆に尊攘派公卿からの反発を受けて、 宮廷から排斥され、京都の北郊・岩倉の地に幽居することになりました。 その後、赦免されるまでの5年の間、 この地で世を忍ぶような形で、住み続けました。 今回は、この岩倉具視幽棲旧宅の内部が特別公開です。 特別公開は、写真撮影厳禁ということなので、 写真を撮ったのは、入り口だけです。 この旧宅は、茅葺きの建物と瓦葺きの建物の2棟があり、 瓦葺きの方は、明治になって改築されたもの。 部屋数は、両棟あわせても5部屋で、 気鋭の公卿として、京の中心で暮らしていた岩倉にとっては、 さぞ、侘しい生活だったであろうことが想像されます。 しかし、岩倉は、幽居の間にも密かに志士たちと密議を重ね、 水面下の動きの中から、やがて、王政復古への道を作り出していきました。 ここには、中岡慎太郎が頻繁に訪れ、 坂本龍馬や大久保一蔵(利通)も訪問したといわれています。 ひっそりとした佇まいのこの茅屋が、 歴史を動かした舞台になっていったことを思うと、感慨深いものがあります。 また、この岩倉旧宅のすぐ後ろには、 岩倉具視の遺品や資料が収められた「対岳文庫」という建物がありました。 昭和3年の建物で、岩倉の雅号からこの名前がつけられています。 ここには、静寛院宮(和宮)の書状や 岩倉具視の写真や肖像、「米欧回覧実記」などの書籍等が展示されていました。 他にも、岩倉具視の関連資料が1000点以上が、ここに所蔵されているということで、 これらは、平成12年に国の重要文化財に指定されているそうです。 幕末の最終局面になってから、表舞台に忽然と登場し、 新政府の成立に向けて、絶大な推進力を及ぼした岩倉具視。 そんな岩倉のことを考えながら、 このあと、次の目的地、実相院へと向かいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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