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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2007年07月17日
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WIRED NEWSにプリンスがアルバムを新聞につけて無料配布したことが波紋を呼んでいることを報じています。

(引用開始)
イギリスの新聞『Daily Mail』紙の日曜版、『Mail on Sunday』の7月15日号を購入したイギリスのファンに、発売前の最新アルバム『Planet Earth』のCDを付録として無料配布するという計画によって、音楽業界を憤慨させている。
このアルバムをイギリスで発売するはずだった英Sony BMG Music Entertainment(UK)社は、この計画を受けて、同国内でのアルバム発売を中止した。蚊帳の外に置かれたイギリスのCD店も怒りを爆発させている。[日本語版注:日本では『プラネット・アース~地球の神秘~』というタイトルで7月25日に発売予定]

イギリスのエンターテインメント小売業協会で共同会長を務めるPaul Quirk氏は「『Artist Formerly Known as Prince』[日本語版注:「かつてPrinceと呼ばれたアーティスト」の意。Princeは一時その名を捨てたため、便宜的にこう呼ばれていた] は、このような行為をしていると、遠からず『かつてレコード店で売られていたアーティスト』(Artist Formerly Available in Record Stores)になってしまうことを自覚すべきだ」と警告する。

 複数の小売業者は、一部の消費者の間では音楽は無料で手に入るという認識が広がっていると主張し、Princeの今回の行動によってその認識がさらに強化されることを問題視している。

(中略)

 Mail on SundayもPrince側も、同紙がアルバムを無料付録につけるために支払った金額を明らかにしていない。しかしPrinceがすでに使用料を受け取っており、同紙の300万人近くにのぼる読者がCDを無料で手に入れることは明らかだ。さらに、ロンドンの『O2 Arena』で行なわれるPrinceの公演のチケット購入者にも、同じCDが無料配布されることになっている。

そのおかげと言ってほぼ間違いないと思うが、21回に及ぶ公演のうち、15回は発売から1時間以内にチケットが完売した。O2 Arena(旧称『Millennium Dome』)の収容人数は約2万人で、もし残りの6公演も完売すれば、総売り上げは2600万ドルを超える。

(中略)

 Princeの新戦略が成功しているのは、このデジタル時代に価値を失いかけているのは楽曲そのものではなく、そのコピーだということを認識しているためでもある。アルバムは、発売から時間がたつほど、友人のCDにせよ、見知らぬ他人の共有フォルダにせよ、リスナーがコピー源を見つける可能性が高くなる。だが、そうしたコピーの価値がどんどん低くなれば、最終的にはオリジナルのみが価値を認められる。PrinceがMail on Sundayに売ったのは、まさにこの「コピーの発信源になる権利」だ。

(引用終わり)

 なかなか思い切った戦略だと思います。プリンスはもともと自分のサイトで音楽を販売していたそうですから、このような行動には興味のある方だと思います。今回の行動は一体どのような考えから起こしたのかよく分かりませんが、記事にあるように十分に元は取ったと思います。しかし、CDが買えなくなったプリンスのファンに対する裏切り行為となったことは否めません。彼が予想していなかったとはいえ、ファンはちょっとかわいそうです。

 新聞社としては話題作りにもなるし部数は増えるしなかなかいい買い物だったと思います。

 但し、このWIRED NEWSの論調でコピー(CD)の価値が低くなっていることをプリンスが認識しているという点については賛同できません。オリジナル、要するにマスターテープの価値は不変だろうと思います。しかし、それはコピーとして複製されることにより価値を持つ訳です。コピーがなければ、貴重品ではありますが、多くの聴衆の耳には届かず何ら価値のない物になります。それ故コピーの価値とオリジナルの価値は全く別物だと思います。オリジナルがある限り、何度でもコピーは出来るわけで、中に詰まっている音楽の質が一番重要なことは自明です。

 マーケティング的にはどのような効果があったかを考えてみると、CDの売上とは桁違いの発行部数であることが大きいと思います。これを聞いた人達がプリンスを気に入って、他のアルバムを買ってくれるかもしれない。話題作りになる。などを予想していたと思います。少なくとも、思いもかけない方面からの動きもあり、話題作りには成功したと思います。しかし、今後CDの売上につながるかどうかは何とも言えません。この動きが恒常的にならない限りは、打ち上げ花火に終わってしまう可能性が大きいと思います。それに、残された一般の音楽ファンのケアをどうするか、これが一番尾を引く様な気がします。





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Last updated  2007年07月17日 23時00分13秒
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