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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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この前何気なくHMVのサイトを見ていたら偶然見つけた一枚。
なんと、7月に出ていたとは全く知りませんでした。
邦人の吹奏楽作曲家としては、私の最も好きな作曲家です。
幾分ポピュラーよりのキャッチーなメロディーと優れた構成、オーケストレーション、おそらく現在の吹奏学界で腕の冴えからいうと随一といってよい作編曲家だと思います。
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今回のアルバムは初めての作品集ということもびっくりしてしまいます。
以前に出ていてもおかしくないようなものです。。。
内容は古いもので1991年の課題曲「コラール・ブルー」から2008年に改定された「ミラージュll」まで全11曲で、真島ワールドの魅力が存分に楽しめます。
この中で興味があったのは、聞いたことのない「ミラージュll」、2006年改訂版の「美しき二つの翼」、そして「ベイブリーズ」でした。
特に気に入ったのは「美しき二つの翼」ポップスらしからぬ雄大なスケールと流麗なメロディーにすっかり魅せられてしまいました。
ブラスも頑張っています。
「ベイブリーズ」は楽しいのですが、ゲストを真島氏のいつもの常連ではなく、もう少し腕の立つジャズ・ミュージシャンにしてほしかったと思います。
演奏は陸自の中央音楽隊ですから悪いはずはありません。
とくに普段聞かれないパートが前面に出てきたりしてとても楽しめました。
ポップス曲では、アルトサックスの演奏がご機嫌でした。
クラシックの演奏家らしからぬ乗りは立派。
全体的に水準以上の演奏ですが、欲を言えば彫がいささか浅く、熱気も多少不足している感じがします。
また、主張も足りないことは確かだと思います。
この団体にも、外部から指揮者を招聘して、一味違った演奏をしてもらいたいところです。
HMVのサイトでは「5月の風」があっさりしすぎと書かれてありましたが、コンクールでの演奏は何しろ半年以上かけて練り上げられたもので、濃い演奏になるのは当たり前で、それをプロに求めるのはお門違いではないでしょうか。気持ちは分かりますが。。。
そのほか、「クードヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクールでグランプリ受賞曲の「鳳凰が舞う」の模範的な演奏やこの団体の委嘱作品「オデッセイ」(2007)の胸のすくような爽快さなども楽しめました。
しかし、「鳳凰が舞う」は悪くないですが、氏の代表作とは言い難いような気がします。
「パリの幻影」は以前演奏したことがあり懐かしかったです。
この演奏では、オッフェンバック、ドビュッシー、ラヴェルなどのパロディーがくっきり描かれていて、作曲者の意図がよく表された演奏だったと思います。
最近の作風についていえば、シリアスな作風は影を潜めてしまったようで、個人的にはいささか残念なところがあります。
今後、そのような作品を期待したいですね。
それにしても、このCDの題名、センスのかけらもありません。何とかならないものだったのでしょうか??
ブラス最前線!真島俊夫作品集(KING KICC 700)
1.コンサートマーチ 五月の風[3:32]
2.三つのジャポニスム [作曲家自身による編集版][8:28]
3.鳳凰が舞う 印象、京都 石庭 金閣寺[10:04]
4.オデッセイ -永遠の瞬間へ-[9:45]
5.コンサートマーチ ストレート ロード 2002改訂版[3:17]
6.巴里の幻影[8:06]
7.コーラル・ブルー 沖縄民謡「谷茶前」の主題による交響的印象[4:40]
8.吹奏楽の為の讃歌 大いなる流れへ[7:09]
9.ミラージュ2 2008年改訂版[6:20]
10.美しき二つの翼 2006年改訂版[8:11]
11.ベイ・ブリーズ[4:51]
指揮:武田晃、真島俊夫(5,10,11)
数原晋(Tp 10,11)
阿野次男(Ds 10,11)
明光院正人(Eb 10,11)
田附透(g 10,11)
陸上自衛隊中央音楽隊
2008年3月21日~23日 陸上自衛隊中央音楽隊演奏場での録音 |
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Last updated
2008年12月25日 21時21分52秒
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