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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2014年09月06日
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カテゴリ:ジャズ

最近全曲が発掘されたコルトレーン最晩年のテンプル大学でのライブ。
発掘したのはコルトレーン研究家として有名な藤岡靖洋氏。
以前ブートレグでこの中の三曲のエアチェックがFREE FACTORYからリリースされている。
今回はアクシデントで録音の一部が欠落しているが、全曲収録されている。
録音されたの1966年11月11日。
コンサートの告知はフィラデルフィアの「イヴニング・ニュース」に掲載された小さな広告1本だけだった。
おまけに日付が11月1日で会場名も「ウィッテンホール」(本当はミッテン・ホール)になっていた。
そのため、1800人が入る会場に口コミや大学のFMの告知を聞いた700人程度しか入っていなかった。
この夜の演奏を聴いて人生が一変した人物が二人紹介されている。
一人はジャズ・ジャーナリストのフランシス・デイヴィス、もう一人は当時高校生だったマイケル・ブレッカー。
ブレッカーは当時コルトレーンを生で一目見たいと躍起になっていた。
ブレッカーはこの時の演奏を「フリー・ジャズ主体でかなり奇抜で衝撃的なコンサートだった」と語っている。
また「最後は「マイ・フェイバリット・シングズ」で大喝采だった」と語っている。
最後に帳尻を合わせたという所だろうか。
ブレッカー個人は『当時の演奏が音楽一筋の人生に向けて背中を押してくれた」と語っている。
 激しいブローもあるが全体的には宗教的なムードが漂っている。
個人的にはファラオのソロがなければ完璧なのだがと思ってしまう。
彼の凶暴なソロが入ってくると、雰囲気ががらりと変わってしまい、げんなりする。
最初、彼が入っているとは思わず、コルトレーンがこんなプレイをするとはと、ちょっと痛ましい気分になってしまっていたので、ファラオのソロだとわかって逆に?安心してしまった。
出演者が多い。
アメリカ盤のブックレットにはベースは一人となっているが、藤岡氏はコンガ奏者として参加していたロバート・ケニヤッタのインタビューでベースは二人だったという証言から、ジミー・ギャリソンを加えているので延べ12名という大所帯になってしまった。
ステージ写真でもギャリソンの顔ははっきり写っているので、単なるミスプリントだったとは思うが。。。。
そのうち最初の「ナイーマ」はファラオが遅れたため、カルテットでの演奏。
学生たちは2曲目と5曲目で一人づつ参加、コンガの3名は2曲目から参加している。
人数が多く、耳で聞いただけではよく分からない部分がたくさんあるが、ブックレットで詳細に解説されている。
全体的に後期のコルトレーンの特徴である激しい表現と、教会の集会のような宗教的な雰囲気(騒々しいが)が横溢している。
個人的には、ファラオを加えた最晩年の演奏はあまり買っていない。
というか、あまりよく分からないと言った方がいいかもしれない。
以前オラトゥンジでの演奏会の録音を聴いたときも、異様な雰囲気に馴染めなかったことを思い出した。
今回の演奏も、圧倒的なパフォーマンスであることは分かるが、なんというかグロテスクと言ったら言い過ぎだが、感情が生に出ている部分が多く、いたたまれなくなる。
特にファラオが出てくるところは、あまり聞きたくない。
それにパーカッションが多すぎて、アセンションではないが焦点がぼけているように思う。
そういう意味では最初の「ナイーマ」がカルテットということもあり、聴いていて違和感がない。
 コルトレーンの演奏は全編に渡って圧倒的で、激しい演奏をしていてもスピリチュアルな側面が感じられた。
「クレッセント」で飛び入りしたアーノルド・ジョイナーのフリーの語法を完ぺきに身に着けたソロは他のミュージシャンのソロと遜色のない出来だ。
因みにジョイナーは当夜の地元参加ミュージシャンと常時共演していて、コルトレーンとの共演経験もあったそうだ。
「オレ」では2回、最後の「マイ・フェイバリット・シングズ」では一回コルトレーンの歌声が聴かれる。
「オレ」の二回目と「マイ・フェイバリット・シングズ」では胸板をたたいてトレモロまでしてしまうが、ラシッド・アリらの証言から、あらかじめ考えられていたパフォーマンスの様だ。
ただ、あまり効果的とは思われない。
「オレ」でのアリのソロも凄まじい。
ピアノとテナーのデュオによる「オファリング」は「マイ・フェイバリット・シングズ」のイントロという位置づけで四分ほどと短い。
ゆったりとした瞑想的な雰囲気だが、コルトレーンのパフォーマンはここでも圧倒的だ。
「マイ・フェイバリット・シングズ」は昔とはだいぶ変貌してしまったにしても、おなじみのメロディーが演奏され、過激な演奏が続いた後のエンディングとして聴衆が納得できるプログラミングだと思う。
この曲ではアリスのソロの後にもう一人の飛び入りのスティーブ・ノブロークがソロを取っている。
アルト版ファラオみたいな感じの過激なソロ。
アーノルド・ジョイナーによると演奏中ジャンプしていたとか。
続いてコルトレーンのソプラノソロとドラミング付の歌にファラオのピッコロオブリガート。
ピッコロはこの演奏には全くふさわしくないと思うが、皆さんの感想はいかがだろうか。
最後にメロディーが現れ、圧倒的なパフォーマンスを締めくくる。
全体的にカロリーの高い熱狂的というか熱に浮かされたような演奏で、集団でトランス状態に陥っているような雰囲気さえ感じられる。
録音は鑑賞に差し支えるほどではないが、演奏者がマイクから離れるとガクッと音量が小さくなるのは気になった。
個人的には最晩年の録音だと「エクスプレッション」とその残りテイクである「ステラー・リージョンズ」、それにラシッド・アリとのデュオには親しみを感じるが、この演奏にはどうにも親しめないところがある。
聞きこんでいけば、また違った感想になるかもしれないが。。。。
いずれにせよ、歴史的な大発掘と言えることは確かだ。
 ところで、このアルバムは国内盤はリリースされないらしいが、初回特典としてキング・インターナショナル製作の24頁の日本版ブックレットが付いている。
オリジナル・ライナーノーツ日本語翻訳、また藤岡靖洋氏のコメントが掲載されていて、とても有難かった。
日本では版権の関係でリリースできないらしいが、輸入盤にこういう特典が付くのはとてもうれしい。
藤岡氏がこの音源を発掘したエピソードを語っている。
藤岡氏が米ARSC(録音音源収集者協会)の「2009年度ベストリサーチ賞」受賞記念講演を2010年5月に行った。
終わった後で、何時もの常套句「コルトレーンの未発表のテープを持っていないか」と話したところ、応答があった。
それが今回の録音を行ったミシェル・ビールだったという。
彼は当時テンプル大の学生でWRTIFM(90.1MHz)の放送部に所属し、番組ディレクターをしていたのだった。
テープの重要性を知る藤岡氏は、ミシェルにヴァーブに行くことを勧め、今年晴れてリリースされたというストーリーだ。


John Coltrane Offering Live at Temple University(Impulse B0019632-02)

DISC1:
1.Naima
2.Crescent
DISC2:
1.Leo
2.Offering
3.My Favorite Things

John Coltrane(tn,ss)
Pharoa Thunders(tn,picc.)
Alice Coltrane(p)
Sonnyu Johnson(b)
Jimmy Garison(b)
Rasid Ali(Ds)
Steve Knoblauch(as)
Arnold Joyner(as)
Umar Ali(conga)
Robert Kenyatta(conga)
Charles Brown(conga)
Angle Dewit(bata drums)

Recorded at Mitten Hall,Temple Univ. ,Philadelphia,PA,November 11,1966





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Last updated  2023年02月02日 20時53分50秒
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