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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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今年のBBCミュージック・マガジン・アウォード器楽部門で受賞作品であるベンジャミン・グロスヴェナーの「Dances」を聴く。
wiki によると1992年生まれのイギリスのピアニストだ。
彼は2004年、11歳でBBCヤング・ミュージシャンのピアノ部門で優勝している。
今年で23歳とい若さだが、すでに3枚のソロアルバムをリリースしている。
デッカと最小年で契約した音楽家であり、スクリャービン全集にも収録
されているなど、デッカが強力にプッシュしていることが分かる逸材だ。
細身のサウンドだが、弱弱しさは感じられない。
解釈にも無理がなく、清潔感が漂っている。
表現にも悪い意味での若さが感じられず、これが19歳の時の録音とは到底思えないほど、完成度の高いピアニストだ。
この中で気に入ったのは、スクリャービン。
初期の作品である作品3のマズルカからの3曲は、ショパンの影響が強い初期の作品だが透明で華やかさがあり楽しめる。
何よりも落ち着いたテンポと静謐な佇まいがいい。
アゴーギグもこれら曲にふさわしい。
後半は、普通のピアニストでは聴けない、なかなか面白いプログラム。
こんなプログラムを弾くピアニストはアムランぐらいだろうか。
特にシュトラウスの「美しき青きドナウ」は面白い。
シュルツ=エヴラーの編曲でピアニストの中では有名な曲らしいが、私は初めて聴いた。
かなりの難曲のはずだが、その気配はみじんも感じられない。
恐ろしく完成度の高い技巧の持ち主なのだろうが、これ見よがしに技巧をひけらかさないところも好感が持てる。
グールドの「ブギウギ練習曲」もギクシャクした表現が楽しい。
ただ、この2曲の持つボードビル的な面白さはまだ出ていない。
バッハのパルティータは温かみのある演奏で、堅苦しくなく、好感が持てる。
ショパンではポロネーズ第5番の癖のない表現がこの曲では逆に成功している。
私の嫌いない「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は、ポーランド風の処理が板についていているが、嫌味はない。
これで、曲の浅さが少しは救われているように思う。
細かい音符もとても歯切れがよく、スポーツ的な爽快さを感じる。
全曲に言えることだが、さらっとした表現で、さすがに曲の要求する味わいまだ十分に表現しきれていない。
技巧を含めベースはしっかりしているので、今後の成長がとても楽しみだ。
Benjamin Grosvenor: Dances (Decca 478 5334)
1.J.S.Bach: Partitas, No. 4 in D, BWV828
8.Chopin:Andante spianato and Grande Polonaise
10.Chopin:Polonaise in F sharp minor,Op,44
11.Scriabin from 10 Mazurkas Op.3
No.6 C sharp minor
No.4 E major
No.9 G sharp minor
14.Scriabin:Vals in A flat major Op.38
15.Granados:Valses Poeticos
24.Schulz-Evler:Concert Arabesques on themes by Johann Strauss,"By The Beautiful Blue Donube"
25.Albeniz(arr. Godowsky):Tango Op.165 No.2
26.Gould:Boogie Woogie Etude
Benjamin Grosvenor(p)
Recorded at Potton Hall,Suffolk,7-10 July 2013
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Last updated
2015年05月23日 22時30分34秒
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