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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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久しぶりに県民オケの定期を聞きに行った。
ホームページの過去の演奏会のデータを見ると、2011年以来行っていない。
他の演奏会とバッティングしたり、忘れていたりで大分ご無沙汰してしまった。
今回はアマオケには難しいと言われている、ブラームスの3番なので注目していた。
最初は定番の大学祝典序曲。
後半ぐっとテンポを落とすところがいかにも古臭い。
こういう解釈はほとんど聞かれなくなったような気がする。
最後の高揚感もない。
この曲を聴き始めて気が付いたのは弦の音がいいことだった。
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第1ヴァイオリンのピッチが比較的揃っていて、今まで感じていた気持ちの悪さをあまり感じなかった。
それに美しいところが何カ所かあり、これはこの団体で経験したことのないことだ。
何が変わったのだろうか。
私の耳がおかしくなったのか、本当にうまくなったのかどちらかわからないが、うまくなったのだろう。
トレーナーのおかげだろうか。
2曲目はディーリアスの「フロリダ組曲」という珍しいプログラム。
プロオケでもめったにやらない筈だ。
アマオケの存在意義が発揮できるのは、こういう曲を提供できることにもあると思う。
入りを気にすることがないからだ。
そういう意味ではなかなかいい試みではあると思うが、以前もディーリアスを取り上げたことがあるので、指揮者の趣味かもしれない。
私は昔ディーリアスが好きでよく聴いていた。
とっかかりはご多分に漏れずビーチャムの演奏(アナログ)で、2枚あるロイヤルフィルとの録音の2枚目の裏面に収録してあったように思う。
この2枚の中で最も面白くなかったのがこの曲で、ディーリアスの曲の中でも、あまり出来のいいほうではないというのが私の考えだった。
この曲は多分20年ほど前に聞いたのが最後だったように思う。
どういう曲かすっかり忘れていたが、聴いているうちに思い出してきた。
ディーリアスらしい微温的な表現がぬるいが、美しい旋律もあったことを思い出した。
第2楽章などムーディーでなかなかいい。
そういう意味では最初のオーボエ・ソロをはじめ、健闘していたと思う。
フルート、特にピッコロが目立っていた。
ここでも弦のミュートの音がなかなか魅力的だった。
曲が微温的で、解釈もメリハリがなく、全く聞いたことのない方にとっては退屈な時間だったに違いない。
知らない曲の場合は、何か刺激がないと寝てしまうので、一工夫欲しかった。
確かCDもあると思ってチェックしたら、ヒコックスがボーンマス響を指揮したものがあったので、さっそくリッピングして聞いてみた。
演奏会では気づかなかったが、弱音中心で響きが薄いのでアラが出やすく、演奏はとても難しいと思う。
後半は注目していたブラームスの第3交響曲。
ここでもヴァイオリンが良かった。
弦が安定していると、聞いていても気持ちがいい。
ただし、3楽章の出だしのチェロの音程は相変わらずで具合が悪い。
因みにこの曲はブラームスの英雄交響曲と呼ばれることがある。
指揮者のハンス・リヒターが言った言葉だ。
多分、1,4楽章が激しく雄渾な曲想のせいだとおもう。
今回の演奏はそのことを思い出すような演奏ではなかった。
全体的にダイナミックレンジが狭く、力強さと推進力も不足している。
そのため第4楽章など、全く熱くならない。
本来ラプソディックでダイナミックな音楽で興奮する要素充分の音楽なのだが、表現が弱いためその手前で終わってしまっている。
第2楽章の晩秋の諦念も感じられなかった。
岩手県オーケストラ 第67回定期演奏会
1.ブラームス:大学祝典序曲
2.ディーリアス:フロリダ組曲
3.ブラームス:交響曲第3番ヘ長調
岩手県民オーケストラ
今村能(指揮)
2016年1月24日盛岡市民文化ホール(マリオス) 2階舞台下手側で鑑賞
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Last updated
2016年01月25日 20時58分18秒
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