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Her's(ハーズ)奮闘記!

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2012年10月17日
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カテゴリ:主におうち

父の容態について、続報です。


【覚悟】を決めて、約2週間が経ちました。

呼吸器病棟に引っ越して以来、思いのほか状態が好転し(さすが専門職!!)

酸素の供与量は順調に減少して、おととい遂に酸素マスクが外れました。

おととい、昨日と、何週間ぶりかで車椅子に移乗することもできました。



先週半ば、主治医から『転院をすすめたい』との連絡をもらいました。

現在の入院先は、急性期病院で、ある程度状態が安定すれば出なくてはなりません。

主治医曰く、このまま自宅に帰すこともできるが、即座に危険な状態に陥る可能性が高く

それよりも1クッションおいて、回復期・療養型の病院に転院して

嚥下をはじめとしたリハビリに取り組んでみてはどうかと。


嬉しい誤算です。

自宅へ連れて帰りたい、と言ったのは、助かる見込みがないと悟ったから。

つまり、在宅療養ではなく、在宅看取りの選択を決意したからでした。

別の指針が与えられる状況で、何も早々に見送る準備をすることはありません(^^;)


当の父は、転院のすすめに対して、快諾でした。

今のところ、非常に安定して落ち着いている父は、目の光も格段にしっかりしてきて

入れ歯の加減で聞き取りにくいものの、内容のあることをちゃんと話し

しかもそこには絶妙にユーモアも盛り込まれ(さすが、我が父・笑)

一見、無事に回復に向かっているようにしか見えません。



しかし。


曲がりなりにも、医療系に根を下ろす身としては

これが決して手放しで喜べる状況だとは、思っていません。

何故ならこれは

【頻回な吸引】と【絶飲食の継続】という、徹底した【医療管理下】においての安定。

もし父が今、全くの医療介入なしで自宅へ帰って、【普通の生活】ができるか?

答えは、NO、です。

もちろん、すぐに自宅へ帰る訳ではなく、別の病院への転院ですから

そんなに悲観しなくても、と思われるかも知れません。


けれど、今は【絶飲食】での安定、しかし入院以降、微熱はずっと続いています。

それはどういうことか?つまり、自身の唾液などの誤嚥はやはり続いていて

重篤ではないものの、肺炎が継続していることを意味します。

転院先では、言語療法士(嚥下指導のスペシャリスト)を含むリハビリスタッフが充実しており

安定の度合いによって、嚥下訓練も予定されていますが

再び口から物が入った時にどうなるか、全く予測がつかず

依然として予断を許さない状況であることに変わりはありません。



転院に際しては、病院の“地域医療連携”が機能し

提携先の病院との紹介状のやり取りを含む手続きが行われるのですが

昨日、入院先の医療相談室から、転院についての話があるとの連絡を受け、行きました。

私自身、転院というのは初めての経験で

紹介先との日程の調整などができれば、すぐにでも移らせてもらえるものだと思っていたので

てっきり、事務的な手続きのことについての説明だと思い込んでいたところ

いざ相談室へ足を運ぶと、少し様子が違いました。


簡単に言えば

『転院を楽観的に(例えば回復の一歩と)捉えてはいけませんよ』

そういったことを、確認する目的も大きかったようです。


『ご自宅に連れて帰りたいご希望があるとお伺いしているのですが?』

・・・あれ?

何でそんなことを聞かれるんだろう?

しかし、相談員さんの言葉のニュアンスを汲み取って、考えを赤裸々に伝えました。

そもそもの“連れて帰りたい”希望は、即ち“看取り”を意味していたこと。

私自身、決して楽観視していないこと。

医療者として、幸か不幸か状況は嫌というほど理解・把握しているということ。

そういったことを、ありのままに話しました。

すると、暗に『それだけわかっていれば大丈夫』といった雰囲気で

話は長引くことなく、転院についての具体的なことに移りました。


これまた意外で、転院に先駆けて、先方の医師との面談を持つ必要があるとのこと。

今日、転院先に電話してわかったことですが

面談と言っても、父の“代理受診”の形を取るのだそうです。



相談室での話が終わり、すぐに主治医に電話しました。

改めて、主治医の見解を確認しておきたかったからです。

『お父さまは、“爆弾を抱えている”ようなものです』

この一言に、端的に集約されていると思いました。

このまま今の病院での入院を続けていても、吸引と点滴が続くだけで

そこから先へのアプローチは、何ら予定されていないということ、

転院するには、とにかく、まずは私が面談しないと先へは進まないということ、

それらを聞いて、翌日にすぐ転院先へ行こうと決めました。

しかし、前述の通り“代理受診”ということなので

今朝電話して今日の内に、というのは難しく、最速で金曜日に予約が取れました。


面談でも、結局は再度の状況の説明と、家族の希望及び意思確認が行われるようです。



本当なら、本人に最も望むところを尋ねたい。

安定していても、それはあくまで【医療管理下】においてのこと。

即ち“自立した生命力”としては、ほぼ限界が来ていること。

その上で、ある意味延命として入院を続け、やがて体力が続かなくなるその日まで

取り敢えず“生きていること”を優先したいか。

それとも

自宅に帰って、その日を早めることになったとしても

1人の人間として、食べたいものを食べ、家族に囲まれて、最期を迎えたいか。


しかし、快方に向かっているかのように見える、穏やかな状態で

父にこれを直接尋ねるのは・・・いくら私でも、できません。

かと言って、今はっきりと意識のある父の在り方・最期を、私が選択するとなると

それはそれで、おこがましすぎると思うのです。



【いのちに、答えはない】



無責任な意味ではなく、成り行きに任せるよりほか、なす術はないのかも知れません。





ともかく、今は小康状態を保っています。

毎日1度以上、必ず『腹減った、なんか持ってきて』と言うのが切ないのですが…

(消化器系統は、検査の結果も“満点!”と言って頂けるほど、正常に機能しています)

ひもじい思いを抱えたまま命を繋がれるだけ、そんなことは、少なくとも私は望めません。

まして、ひもじいまま最期を迎えることにでもなったら・・・

私が、死ぬまで、否、死んでも後悔するでしょう。

かと言って、ひもじくても父自身が生きたいと望んだら・・・



まずは、次のステップとしての転院に向けて、一刻も早くことを進めなくてはなりません。

たとえ、そのステップが、人生の終焉に向かうものだとしても・・・

命には限りがあることを真摯に受け止め

父も、私も、周囲の誰もが、出来る限り後悔のない道を選べるよう

ただひたむきに向き合うしかないようです。









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最終更新日  2012年10月18日 23時00分50秒
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