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テーマ:ひとりごと(15043)
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大久保清のような人間は、本当は世間にざらにいるのではないのか?
僕は、この男の半生を知ってそう思った。 性格的にちゃらんぽらん、無責任で甘えん坊、思いやりを持たない性格、等々。 こんな性格の人間は履いて捨てるほどいる。 ただ、このような男でも結婚して、二人の子どもをもうけている。 すべての冷酷な殺人者は天涯孤独な境遇だったらよかったとは思う。 彼らは周囲の人間をすべて不幸にしてしまうから。 明け方、榛名湖に向かっていると、タイヤが滑る音がしてきた。 車を止めて、路面を見ると、まだ秋の終わりなのにうっすらと凍結している。 標高が高いせいだと知って速度を落として進む。 あたりには黄色く色づいた木々がまだ秋のさなかだと教えている。 竹久夢二のアトリエがここにあったらしい。 そういえば、大久保も最初の被害者に 自分は榛名湖にアトリエを持っていると嘘をついているが、竹久夢二のアトリエが頭にあったのかも しれない。 嘘といえば、大久保は嘘をつくのが仕事のような感じがするほどだ。 逮捕後、被害者の身内に警察や検察関係者がいると聞いてカッとなって殺した、と供述しているが、 おそらくこれも嘘だろう。 このように言えば、警察も少しは情状を汲んでくれるとでも思ったか。 夜が明けて榛名湖に着く。 影法師のような榛名山がくっきりと正面に姿を現した。 広くなった場所に外車ばかりの集団が車を停めている。少し違和感を感じながら通り過ぎる。 どこにもこういった連中はいるものだなと思いながら、湖畔に沿った道路を走ってみた。 木々が美しい。大久保は最初の犠牲者をこの湖畔に埋めている。 場所は判らないが、こんな美しい場所と殺人事件がそぐわない感覚を覚える。 木立の中からは鳥のさえずりも聞こえている。 しばらく走ってから榛名湖を後にした。 供述といえば、大久保に誘われ、殺されはしなかった女子高生の供述にこんなものがあったように 記憶している。 「たいていは車の中でセックスしたが、やっぱりホテルのほうがいいと思います。からだも 痛くならないし、落ち着いて出来るから」 今時(当時の)の女子高生のあきれた感覚という感じで描かれていたのかもしれないが 妙にリアル感があって印象に残っている。 その高校生も、今は50歳ぐらい。 子どもが結婚して孫もいる年齢だ。 光陰矢の如しか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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