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2011.08.26
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カテゴリ:おひさま
連続テレビ小説「おひさま」|NHKオンライン

NHK 長野放送局 連続テレビ小説 「おひさま」 

26日金曜の回
丸庵。
少し体を震わせながら酒を飲む男。男は無精ひげを生やし、服や帽子もかなり汚れている。
この男の様子を心配そうに見守る徳子と道夫、和成。
男はコップを持った右手でテーブルを強く叩き、酒のおかわりを求める。
徳子は何も食べずに酒ばかり飲む男に近づいて心配をするが、男は震えた手で金をテーブルの上に置いておかわりを頼む。
徳子はコップを持って調理場へ向かう。
小さく震える男の目は虚ろ。
 一方奥の部屋にいる陽子は「月の砂漠」を歌って日向子を寝かしつける。
眠っている日向子を見て陽子は微笑む。
 調理場。
ラジオからは「青い山脈」が流れている。
徳子がコップに酒を注いでいると、和成は心配して声をかける。
徳子は大丈夫だと返事して道夫の方を見ると、道夫も頷いている。
徳子は男に酒を運んで出すと、野菜の煮物も一緒に出す。
男は徳子に礼を言う。
そこへ節子と安子がやってくる。
節子と安子はみんなの分も買ってきた、と言って宝くじを見せる。
徳子、和成、道夫は宝くじを手に取って興味深そうで、そして楽しみな表情。
和成は男に会釈するが、男は構わず酒を飲み続ける。
 奥の部屋では日向子に寄り添う形で陽子も眠っている。
徳子は陽子に声をかけて起こすと、宝くじが来た事を教え、手招きして来るように伝える。
陽子は日向子の寝顔を見て微笑む。
 調理場に集まっている徳子、和成、道夫、節子、安子。
調理場の台の上には6枚の宝くじが並べられていて、皆それぞれどれを選ぼうか考えている。
安子は当たりはこれだ、と言って1枚の宝くじを指差し、節子は安子の言った宝くじを選ぶが、すぐに別の物と取り替える。
徳子、安子が続けて1枚ずつ手に取ると、道夫は楽しそうな顔で1等はいくらだったか節子に尋ねる。
節子が100万円だと答えると、皆驚きの表情で、安子はお札がリュックに一杯だ、と教える。
徳子は家一軒建ててもおつりが来る、と言って、電気冷蔵庫、蓄音機、洋服、と何を買おうか楽しそうに考えて笑う。
道夫も宝くじを1枚手に取って、一番高い盆栽(が欲しい)、と言い、徳子はつまらなそうな顔。
徳子は道夫のは当たらない、当たる顔じゃない、と言って楽しそうに笑う。
和成も1枚手に取って、アメリカ製のオートバイ(が欲しい)、と言って道夫と盛り上がる。
節子がようやくいい世の中になった、と話すと、徳子はこの頃町も明るくなった、と言い、道夫も戦争が終わってもう5年だ、と皆楽しそうに話す。
話し声は酒を飲む男にも届いている。
陽子がやってきて、台の上に1枚残った宝くじを手に取ってこれが私のか尋ねる。
皆がそうだ、と言うと、安子は「残り物には福がある」と陽子に言い、陽子は「そうですよね~」と言って当たる気がする、と楽しそうに話す。
道夫は陽子に当たったら何が欲しいのか尋ねる。
陽子が少し考えてミシンだと答えると、徳子もそれは欲しい、と言う。
道夫はこうやって夢見ている時間が楽しい、と言うと、安子は当たらないとつまらない、と言って皆楽しそうなわくわくした感じの顔で話をする。
 楽しい幸せそうな話は酒を飲んでいる男にも聞こえている。
男は手を大きく震わせて話を聞いている。
そしてついに男は持っていたコップを地面に叩きつけて割る。
男は立ち上がると「ふざけるな!貴様ら!」と大声で叫ぶ。
陽子たち一同の表情はガラリと変わって不安そうな顔つきで男を見ている。
男はふらふらと振り返って陽子たち一同の方を向き、「何が夢だ・・・。何が幸せだ・・・。ケラケラ笑いやがって。最低だお前ら!」と叫ぶ。
陽子は男の顔を見て驚きの表情になる。
男は「どうなってんだよ、この国は。すっかりなかった事になってるのか。あの戦争は!ええ?冗談じゃねえ。よくそんなヘラヘラ笑って生きてられるな。ふざけるな~!」と大声で言う。
和成は男に近寄って止めようとするが、男は和成を振り払って「ふざけるな」と繰り返す。
陽子が近づき「川原さん」と声をかける。
川原が顔を上げて陽子の方を見ると、徳子は陽子に知っている人なのか尋ねる。
陽子は徳子の質問に「はい」と頷くと、川原の顔を覗きこんで声をかける。
川原は虚ろな目で陽子を見ると、何も言わずふらふらと出て行こうとして転ぶ。
和成、徳子、道夫が駆け寄って声をかけるが川原は気を失っているようで反応がない。
陽子は心配そうに川原を見つめる。

 夜、丸庵。
眠っている川原はうなされていて、体も震えているようで右に左に寝返りをうったりしている。
居間。
家族が集まっている。
陽子は川原が春樹の親友だった事、うちにも何度か遊びにきていた事、松本高校の卒業を待たずにタエという女性と2人で満州へ行った事、(川原の)伯父さんが満州で新聞の仕事をしていてその仕事を手伝うつもりだった事、を話し、「満州は理想の国家になる。それをこの目で見に行くんだ。」と言っていた事も話す。
(回想シーン)
須藤家。
須藤家一同と川原が楽しそうに食事をしている。
春樹は川原が甲府の医者の息子なのに医者にはならない、と家族に話す。
川原は満州はアメリカ合衆国のように東亜の諸民族が共生する理想的な国家になると思う、と言ってそれをこの目で見届けたい、と須藤家一同に話す。
(回想シーン終わり)
話を聞いた道夫は「う~ん・・・満州か~」と言って、大変な思いをして帰ってきたのだろう、と話す。
徳子がこの辺りにも大勢いる、と言うと、道夫は頷いて信州から渡った人が日本で一番多い、と話す。
道夫は「そこには理想の土地がある」と俺達も散々聞かされた、と言って、しかし行ってみたら全然違ったらしい、と話す。
和成が陽子にタエがどうなったのか尋ねると、陽子は首を横に振って「わかりません」と答える。
そして2人が出会ったのは松本の町だ、と陽子が家族に話すと、皆「そう」という風に頷いて、和成はうちに来るのも不思議な縁だ、と話す。
道夫がため息をついて「満州か・・・」と言うと、徳子は私たちが浮かれてて腹が立ったのだろう、と話す。
和成はそれは仕方がない、別に俺達が間違っているわけではないと思う、と言って、「俺達は、俺達なりにつらい思いをして、やっと今があるんだ。下を向く必要はねえよ。」と話す。
和成の話に皆頷いてこたえる。
 寝ていた川原が飛び起きる。うなされていたせいか息も荒い。
川原は窓を開けて身を乗り出すと泣き始める。

 2階の部屋。
陽子が日向子を寝かしつけている。
和成は窓辺に立って開いた窓から月を見ている。
陽子も立ち上がり、和成の横に並んで立つと「さっきはありがとうございました」と礼を言う。
和成は川原が春樹が亡くなった事は知らないのかな、と話すと、陽子は「たぶん」と答える。
横の部屋で座っていた川原はこの話を聞いてしまう。
陽子は和成に声をかけ、徳子と道夫のいる所では少し恥ずかしくて言いにくかった、と言って、和成にはちゃんと話したい、と和成に言う。
陽子は少し言いづらそうにしながら、川原が初恋の人だった事を和成に伝える。
和成は陽子を見つめ、陽子は頷く。


 川原は随分変わってしまいましたねえ。







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最終更新日  2011.08.28 00:08:34
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