仕事で長野/千曲に行ってきました。その帰路、新幹線の時間の調整のため、帰り道にある葛飾北斎の絵画が展示されている『北斎館』に立ち寄ってきました。北斎がこの地小布施を初めて 訪れたのが80歳を越えていたと言うこと!今でこそ東京から小布施までは2時間ちょっとくらいですが、江戸時代は新幹線なんてありません、徒歩で江戸から 小布施まで!信じられないほどパワフルな行動でした。
北斎は浮世絵師として有名ですが、ここには浮世絵はありません。版を刷る浮世絵とは違い、掛け軸、屏風、肉筆画など、巧みな筆さばき、色彩の美しさ、どれもが生き生きしています。とりわけ『北斎漫画』は圧巻でした。人物や、風俗図、動植物、妖怪にいたるまで、多彩な図柄が含まれており、ゴッホやフランスの印象派など海外の芸術家へ影響を与えたとの説明でした。
下の写真は、祭り屋台の天井画として描かれたもので、左が「男波(おなみ)」右が「女波(めなみ)」というタイトルがついていました。左の「男波」は「激しく左に巻いて」いて、右の「女波」は「優しく右に巻いて」いるそうですが、私には両方とも右巻きに見えました。「陰(女波)と陽(男波)が相対立することによって、世の中の全ての現象が永遠であることを象徴しているとのことです。