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2010.01.11
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カテゴリ:環境問題
世界に冠たる日本と言っても、工業技術やGDPの話ではありません、まして「新しい歴史をつくる会」の描く歴史の話などでもありません。日本の自然の話です。

日本は、国土面積は約37万平方キロ、世界の陸地総面積(約1億4889万平方キロ)の、わずか0.25%を占めるに過ぎません。しかし、国土が南北に非常に長い。日本の「長さ」は北東から南西に向けて3000kmにも及びます(途中に海も含みますが)。緯度で言うと、北端(とりあえず稚内)が北緯45度、南端(沖の鳥島)が同20度ですから、緯度差が25度に達します。日本より国内の緯度差が大きな国は、ロシア・中国・米国、カナダ、チリ・アルゼンチン・ブラジル・オーストラリアの8ヶ国しかありません。言うまでもなく、いずれも日本とは比較にならないくらい国土面積の広い国です。(この中でもっとも小さな国はチリですが、国土面積は日本の2倍)
もう一つ、日本の気候の特徴は、実距離以上に南北の気温差が大きい、ということが挙げられます。言い換えると、日本(東アジア全般とアメリカ大陸東海岸も同様ですが)は、ちょっと北に行くだけでうんと寒くなる、ちょっと南に行くだけでうんと暖かくなるわけです。これに国土の南北への広がりを考え合わせると、日本の自然が多様性の富んでいることが分かると思います。
加えて、日本は世界的に見てもかなり降水量の多い地域です。上記の国々の中で、面積当たりの降水量が日本より多い国は、おそらくブラジルしかないはずです。水は、すべての生命の源ですから、降水量が多いということは、自然が豊かということを意味しています。

全世界には、概ね27万種の維管束植物(種子植物とシダ植物)があると言われています。このうち、日本に分布するのは、6000種と言われます。全世界の0.25%の面積に、2%以上の植物が存在するわけです。しかも、このうち約2000種弱が固有種(日本にしか分布しない種)とされています。
動物の中では、日本に分布するほ乳類は91種、その過半数の46種が固有種です。両生類に至っては、58種のうち3/4の44種が固有種とされます。
世界的に見て、生物の多様性の特に豊かな地域のことを「ホットスポット」と言いますが、日本も、このホットスポットの一つに数えられています。

逆に、生物の多様性が著しく低い地域はどこか。平均的に言えば、乾燥地と寒冷地ほど、生物の多様性は低いと言えます。しかし、そこそこに降水量があってそこそこに温暖な地域でありながら、生物の多様性が著しく低い地域があります。
ヨーロッパ(特にアルプス以北)がそうです。
例えば、イギリスと日本の本州を比較してみましょう。イギリスは国土面積24万平方キロあまり、本州よりわずかに大きい程度の面積です。緯度はイギリスの方がかなり北ですが、気候的には東北地方くらいの気候に相当するでしょう。
そのイギリスに分布する植物は約1500種と言われます。日本の1/4に過ぎません。東京の高尾山には約1300種の植物が分布しているので、イギリスの植物の多様性は高尾山並ということになります。
しかも、イギリスには、固有種はゼロ、ただの1種も固有種がないと言われます。

そのイギリスには、針葉樹(マツやスギ、ヒノキなどの仲間)が何種類分布しているかご存じでしょうか。
たった2種類なのです。ヨーロッパアカマツ(シベリアアカマツとも言う)セイヨウイチイ(イチイの仲間を針葉樹と呼ぶかどうかは意見の分かれるところですが)がイギリスに自然分布する針葉樹のすべてです。もちろん、今は人工的に移入された針葉樹が何十種類とありますが。
イギリスよりもっと北に、スカンジナビア半島があります。面積は日本より遙かに広く、またスウェーデンやフィンランドは「森と湖の国」として知られていますが、ここに分布する針葉樹は、上記の2種とドイツトウヒの3種。ドイツあたりまで南下すると、ヨーロッパモミが加わって4種。アルプスまで行くと、スイスマツなど数種のマツとヨーロッパカラマツが加わり、ぐっと種類数が増えます。

一方本州に分布する針葉樹は、数えるのが面倒なので数えませんが、数十種類はあります。たまたま昨日八ヶ岳に行ったので、八ヶ岳に分布する針葉樹だけを数えてみることにしました。南北に20km東西10kmあまり、しかもイギリスよりずっと寒冷な地域です。
ハイマツ・チョウセンゴヨウ・キタゴヨウ(以上マツ属)、シラビソ・オオシラビソ・ウラジロモミ(以上モミ属)、トウヒ・ヤツガタケトウヒ・ヒメバラモミ(以上トウヒ属)、カラマツ(カラマツ属)、コメツガ(ツガ属)、クロベ(クロベ属)・ミヤマビャクシン・・・・・・・やっぱり数えるのが面倒になりました。

何故こんな差が生じたのか、原因は氷河時代にあります。氷河時代のヨーロッパは、南にアルプスの山岳氷河、北にスカンジナビア半島の大陸氷河に挟まれ、その間の地域はほとんど樹木の生育不可能な寒冷地域でした。アルプスは東西に細長い山脈ですから、気候の寒冷化によって植物が南下しようとしても、アルプスに行く手を阻まれて、多くの植物が絶滅してしまったのです。同じヨーロッパでもアルプス以南ではぐっと植物の種類が増えるのも、それが理由です。
一方、アメリカ大陸ではカナダにやはり巨大な大陸氷河が形成されました。ロッキー山脈にも大規模な山岳氷河がありましたが、ただロッキー山脈は南北に広がる山脈なので、アルプスのように植物の南下を阻むことはなく、少なからぬ植物が氷期には南方に逃れることで命脈を保ちました。だから、アメリカ大陸の植物相はヨーロッパに比べるとずっと豊富です。
さて、日本ですが、日本には氷期にも氷河はほとんどありませんでした。日本アルプスや北海道の日高山脈に山岳氷河はありましたが、その規模は現在のヨーロッパアルプスの氷河よりも規模が小さい程度のものでした。だから、日本は非常に豊かな自然が、氷河時代にも破壊されることなく生き延びてきたのです。

もう一つ大事なことは、その自然が基本的には有史以降も守られ続けてきたということです。現在、日本の国土面積に占める森林の割合は、7割に達します。これは、世界的に見ても非常に高い森林の割合です。もちろん、その7割のうちその7割近くは天然林ではなく人工林なのですが、それにしても、これほど人口密度が高いにもかかわらず、この森林率の高さは、異例とも言えます。
まさに、日本は「森の国」なのです。今後もずっとそうであり続けてほしいものです。





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最終更新日  2010.01.11 23:12:14
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