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カテゴリ:経済問題・貧困問題
「個人預金、マイナス金利ない」…黒田日銀総裁
日銀の黒田総裁は4日の衆院予算委員会で、マイナス金利政策の影響について、「民間銀行の個人向けの預金にマイナスの金利がつく可能性はない」との認識を示した。 民主党の前原誠司議員の質問に答えた。 黒田総裁は、すでにマイナス金利を導入している欧州の事例を引き合いに出し、「マイナス1%くらいの金利をつける中央銀行もあるが、そこでも個人預金はマイナスになっていない」と述べた。 日銀は1月29日、民間の銀行が日銀に預けている当座預金の一部に0・1%のマイナス金利を適用することを決定した。導入後に銀行の収益が圧迫される影響で、個人の預金金利がマイナスになるのではないかとの懸念が出ていた。 --- 本当にそうなのでしょうか。こちらの記事によると、 マイナス金利を導入しているスイス、デンマーク、スウェーデンなどでも大手企業や機関投資家の大口預金などにマイナス金利が課せられている。いまのところ個人の預金にマイナス金利が課せられている事例はほとんどないようだが、日経新聞によると個人預金にも適用した例はないわけではないようである。 とのことです。 確かに、日銀がマイナス金利を導入したから直ちに市中銀行の預金金利がマイナスになる、というものではないでしょう。しかし、今現在の銀行預金の利率はすでに、ほとんど0%に近い水準です。大手都市銀の1000万円以下の定期預金は年利0.025%です。まず、これが文字どおり金利ゼロになる可能性は、そう低くはないように思います。 それから、マイナス金利が-0.1%で留まるかどうかも定かではありません。というか、当の黒田総裁自身が、マイナス金利の拡大を辞さない姿勢を講演などで明らかにしていると報じられています。これから更にマイナス金利が拡大していって、それでも個人預金の金利がマイナスにならない、と言えるのかどうかは、大いに疑問の余地がありそうです。 そして、この政策によって日銀は何をしようとしているかと言えば、当然インフレを起こそうとしているわけです。ということは、日銀の期待どおりに動けば、銀行預金の利率よりインフレ率のほうが大きいので、預金の価値は目減りしていくことになります。だから、実質的には市中銀行の預金利率は、相対的にマイナスになります。もっとも、日銀が期待するほどのインフレ率になるかどうかは定かではありませんけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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