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カテゴリ:対中・対韓関係
関東大震災 朝鮮人虐殺、新公文書 埼玉で四十数人「悉く殺さる」 陸軍省調査資料
関東大震災で起きた朝鮮人集団虐殺について、同年11月に当時の陸軍省が行った実態調査の一部資料が、防衛省防衛研究所史料室で新たに見つかった。現在の埼玉県熊谷市内で保護のため警察署へ移送中の朝鮮人四十数人が「殺気立てる群衆の為めに悉く殺さる」などと報告。事件を「鮮人(朝鮮人の蔑称)虐殺」「不祥事」「不法行為」と表現し、「鮮人の襲来は遂に一名も来なかった。火付けもなかった。毒を(井戸に)投げ込まれた事も聞かない」との記述もある。 資料の存在は、震災直後に政府が違法な虐殺の事実を認識し、広範な調査を実施していたことを示している。今年8月、当時の松野博一官房長官は記者会見で事件への見解を問われ「政府内に事実関係を把握できる記録が見当たらない」と述べていた。~ 陸軍省副官(官房長に相当)は23年11月2日、震災に関係した全部隊に対し、活動内容を陸軍大臣・参謀総長宛に同25日までに報告するよう通達。熊谷連隊区司令部は遅れて12月15日付で提出した。 虐殺は「行動の大要」に記載。同年9月4日、警察官が保護した朝鮮人二百余人を浦和方面から深谷・本所警察署へ自動車で護送中、昼間のうちに移送できなかった四十数人が、夜に入って殺気立った群衆に、現在の熊谷市内各所で全員殺されたと報告している。 「将来参考となるべき所見」にも、保護した朝鮮人の移送は「夜暗を避くるを要す」とし、夜間にずれ込むと「悉く暗所に於て殺さるるの惨状を見るに至れり」と警告している。(以下略) --- 記事は、ネット上では冒頭部分以外会員登録しないと読めません。(我が家は紙の毎日新聞を購読しています) この資料自体は今回新たに発見されたものということですが、言うまでもなく、従前から司法省報告書と戒厳業務詳報が震災時の朝鮮人虐殺の統計は明らかになっているところです。 それら報告書の根拠となった資料の一つ、と言いたいところですが、戒厳業務詳報には埼玉県での虐殺事例は掲載されていません。司法省報告書では、埼玉県における朝鮮人94人と日本人1人の虐殺が掲載されていますが、これは犯人が起訴された事件だけの統計です。この件は、闇夜に紛れて殺された、というものなので、監視カメラなどなかった当時、果たして犯人が特定できたかどうか疑問です。つまり、司法省報告書には出ていない(もとより戒厳業務詳報には掲載されていない)事例のかもしれません。 というわけで、震災時の朝鮮人虐殺については、従前より官憲による報告、資料が数多く存在するにもかかわらず、松野裏金官房長官は答弁において「政府内に事実関係を把握できる記録が見当たらない」と言い放ったわけです。いや、それは記録が見当たらないのではなく、単に記録は見ない、ようにしているだけでしょう。 地震という災害は人間の力で止めることはできません。しかし、自身が原因で発生する様々な被害の中には、人間の力で止める、あるいは被害規模を最小限にとどめることが可能なものも少なからずあります。デマの蔓延や、その結果としての虐殺事件など、人間の努力で発生を食い止められる、食い止めなければならない事例の最たるものです。 それにもかかわらず、「把握できる資料が見当たらない」などと公然たるウソによって事実から目を逸らす政府が、いつか再び起こるであろう大震災の際に、同じような悲劇を生まないよう最適な努力を払うつもりがあるのかどうか、少なからず疑念を抱かざるを得ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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