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カテゴリ:経済問題・貧困問題
漫画、アニメ界から立て続けに訃報が舞い込んできました。「Drスランプ」「ドラゴンボール」などの漫画家鳥山明氏と、「ちびまる子ちゃん」の声優TARAKO氏です。
お二人ともまだ60代です。まだまだご活躍が期待できる年齢だったのに、残念という言葉に尽きます。鳥山明氏は急性硬膜下血腫と報じられています。 TARAKO氏は死因が非公開ですが、今年に入って闘病していたことが明らかにされており、亡くなる数日前にSNSに上げられていた写真で、収録現場で車いすを使用していた様子がうかがえます。収録の仕事はできていた、進行性、しかも今年に入ってからの急激な進行と考えると、どういう種類の病気かはなんとなく想像はできます。 ただ、ここでは病名の推察がテーマではないので、それ以上は立ち入りません。 TARAKO氏は、ちびまる子ちゃんのまる子役を32年近く務め(34年とも報じられていますが、1992年9月に一度放送終了して95年1月から第2シリーズが始まっているので、実期間は32年弱)、そのイメージが強いですが、私は中学生の頃に見た「戦闘メカ・ザブングル」のチル約が印象に残っています。 それ以前の「うる星やつら」がデビュー作だったようですが、初レギュラーを掴んだのがこの作品です。そして、それ以降、まる子役までに、いくつもの作品でレギュラーを務めており、少なくともアニメ界では十分に知名度のある声優さんでした。 ところが・・・・・ 死去を報じるニュース番組より、2018年に亡くなった原作者さくらももこさんの葬儀でのスピーチが少し流れています。 「声優デビューしても、まる子が売れるまでずっとバイトしていたし、貧乏はお得意で」~ 動画が見つからないので動画は提示できませんが、別のニュース番組で、この後に「3000円のマッサージに行くのも苦労する生活をしていた」という趣旨のことをおっしゃっていたように記憶しています。 アニメ界が、アニメーターも声優もどちらも収入が低く、かつ不安定であることは周知ではありますが、まる子以前からある程度のレギュラー番組を抱えていたTARAKO氏でも、「まる子」という超が付く大ヒット作に出会うまでは、声優だけでは食えていなかった、というのはなかなか驚きの事実ではありました。 厳しい世界、というより厳しすぎる世界ですし、このままでは将来性も厳しいかもしれません。アニメーターの大きな才能は、どんどん海外に流れていくかもしれませんが、「日本語」という言語と切り離すことができない声優さんは、そうもいかないでしょう。どうなっていくのでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ちょうど本日、宮崎駿のアカデミー長編アニメーション賞受賞のニュースが流れましたね。手塚治虫がアニメーション制作のため大幅なダンピングをしたことに宮崎駿(にもちろん限りませんが)が激怒しているのは有名ですが、まさに日本アニメの光と影の象徴ですかね。TARAKOのWikipediaにも、
> 声優デビューは1981年、テレビアニメ『うる星やつら』で演じた幼稚園児役。当時は声優だけでは食べていけず、スーパーマーケットの試食販売、コンビニエンスストアの店員、交通量調査などのアルバイトをしていた。 とありますので、9年くらいは食えていなかったということでしょうか。そうすれば多くの人間は脱落するし、彼女のようにすごい役をもらえるような強運があればいいですが、そうでないとつらいでしょうね。大山のぶ代や小原乃梨子のような実績のある人たちで中心メンバーを固めた「ドラえもん」などでは、新人の出る幕はないですしね。 > 亡くなる数日前にSNSに上げられていた写真で、収録現場で車いすを使用していた様子がうかがえます。 私も写真を観ました。だいぶ首筋がやせていますね。渥美清も体調が悪化してからは、首の痩せ方を隠すためマフラーをまいたという話も聞きました。逸見政孝氏の最後の記者会見時の痩せ方もひどい。前に私が記事にしてinti-solさんもコメントしてくださった笠浩二も、死の前には車椅子でだいぶ痩せていました。彼は糖尿病でTARAKOのがん(あ、すみません、死因未公表でしたね)とは違いますが、私も、父や祖母が、車いすに初めて乗ったときは、そんなに体調が悪かったのかとちょっと驚いたことがあります。父の場合ALSでしたので、車椅子なんて序の口ということでしたが・・・。、 //blog.goo.ne.jp/mccreary/e/14ebfe300846d9f48f236178186094bf (2024.03.12 00:06:50)
Bill McCrearyさん
>9年くらいは食えていなかったということでしょうか。 そういうことみたいですね。しかも、当時はアニメブームで、声優になりたい人も大勢いました。その中で、テレビアニメの端役で出演機会だけでも誰にでもチャンスがあるわけではなく、レギュラーなんて言ったら相当の競争率だったはずです。つまり、TARAKOさんは「まる子」に出会う前の時点でも、声優界では相当に競争を勝ち抜いてきていたわけです。 それでも「食えない」のが現実ですからね。 写真は、マスクをしているので痩せ方はよく分かりませんが(分からないような写真にしたのでしょう)、でも細っているなというのはなんとなくわかりますね。 私自身は、足の骨折時に病院内だけ車いすに乗ったことはありますが、まあそれは、意味合いがかなり違うので参考にはなりません。 (2024.03.12 07:01:36)
補足ですが、機動戦士Zガンダムのエマ・シーン役で知られる声優の岡本麻弥さんが、インボイス制度反対で記者会見をしたことがあります。インボイス制度が導入されると、多くの声優の生活が立ち行かなくなること、彼女自身も廃業を考えていることなどを訴えていたと記憶しています。
逆に言えば、彼女くらい、人気アニメの主要キャラクターの声を、いくつも演じてきている人であっても、収入どころか、経費を引く前の「売上」ですら1000万円に届いていないのが現実、ということなのでしょう。 (2024.03.12 21:03:18)
岡本さんが、インボイス制度反対しているのに「表現の自由戦士」という連中がどれだけ冷淡だったことを忘れません。
「文句を言っている暇があるなら仕事しろ」とか「アニメに政治を持ち込むな」などとほざいていましたから。 その癖奴らが信奉してやまない赤松健とか山田太郎に何も言わない時点でお察しです。 私は「アニメや漫画の表現の自由だけ守って後は焼け野原でいい」連中が大嫌いなことを申し上げます。 (2024.03.15 20:26:34)
アンドリュー・バルトフェルドさん
そんな騒ぎが起こっていたことを正直知りませんでした。 >「表現の自由戦士」という連中 この連中がクズだ、ということはもちろん承知していますけど。「××に政治を持ち込むな」という連中の言う政治とは、「自分と反対意見の政治」でしかないわけで、「勝手に言っていろ」としか言いようがありません。 (2024.03.17 13:19:22)
主に若者向けの深夜アニメに出演している声優たちは、ベテランを除けば恐らく待遇はあまりよろしくないのでしょう。また、アニメソング歌手などの音楽活動やグラビア活動も行っている声優も少なからずいますが、声優活動だけではなかなか生計を立てる事が難しいという事情もあるのでしょう(音楽活動などに関しては所属事務所やレコード会社からの意向もあるのでしょうが)。
それに、世間で話題となっている劇場版アニメでは本業声優でない俳優、歌手、タレント、芸人を声の出演者として起用している事例がしばしば見られますね。本業声優でない俳優などを出演者として起用する事への賛否はともかく、こうした方が世間一般の注目を集めやすいのでしょうが、一方でこういう作品に出演している本業声優たちがあまり注目されていないという側面もありますからね。こういう事例も、本業声優たちが隅に追いやられている一因でもあるのでしょう。 (2024.03.19 20:27:05)
nordhausenさん
声優はランク制で、ベテランになるとギャラが上がるようなので、逆に若手は収入は厳しいでしょうね。というか、なりたい人が多くて仕事のパイは限られるので、基本食べられない人がものすごく多い世界のようです。 ジブリアニメが、ある時期から声優を使わなくなったのは有名です。それが良かったか悪かったかは一概に言えませんが、どの作品でも同じ声の人が出ている、という状態(例えば永井一郎なんて、「ルパン三世」から「ラピュタ」までの宮崎アニメほぼ全部に出ていたのでは?)を避けたい心理は、分からないことはありません。 (2024.03.20 14:26:15) |