※BGMと共にお楽しみください。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
1868(慶応四)年3月、甲州勝沼。
甲陽鎮部隊と名を改めた新選組は、新政府軍の圧倒的な兵力を前に、敗戦した。
―おい、あいつらだろ・・
―今日で名を馳せた人斬り集団・・
―狂犬の集まり・・
「あいつら、言わせておけば!」
「やめておけ。言いたい奴には勝手に言わせておけばいい。こんな所で貴重な戦力を使うんじゃねぇ。」
「はい・・」
リヴァイにそう諫められたエレンは、江戸で土方達と話し合った事を思い出していた。
「成程、それで、エレンの“力”で戦がこちら側に有利になると?」
「あぁ、こいつさえ居れば大量の武器も弾薬も要らねぇ。ただ、その“力”の代償はこいつの命だという事が厄介だが。」
「考えておこう。」
甲州勝沼を発った新選組は、流山へと向かった。
「副長、大変です!」
「どうした、島田?」
「新政府軍がこの周辺を包囲しています。敵兵は三百・・」
「クソ、このままだと埒が明かねぇ・・」
「俺が行こう、トシ。」
「馬鹿言うんじゃねぇよ、近藤さん!」
「そうですよ局長、今行ったら殺されに行くようなものです!」
「大丈夫だ。」
そう言った近藤の顔は、何処か優しく、晴れやかなものだった。
「エレン君、これからも頑張って戦ってくれ。」
「今までお世話になりました。」
それが、近藤とエレンが交わした最後の会話となった。
1868(慶応四)年4月25日。
板橋の刑場で新選組局長・近藤勇は斬首刑に処された。
享年三十五歳。
近藤という大黒柱を失った新選組は、宇都宮へと向かった。
1868(慶応四)年4月19日。
土方達率いる新選組と旧幕府軍は、敵が籠城している宇都宮城への攻撃を開始した。
だが、籠城を続ける敵との戦闘は長引き、膠着状態に陥った。
「このままじゃ埒が明かねぇ。今から俺が合図をするから、端に居る塀から敵陣に突っ込め!」
土方の言葉を聞いた兵の一人が怖気づき逃げ出そうとしたが、彼は容赦なくその兵を斬り捨てた。
「ひぃ、鬼だぁ!」
「俺は死にたくねぇ!」
兵達が恐怖で震えていると、彼らの前に白刃が閃いた。
「ピーピー喚くなクズ野郎。戦をしに来たんだろう?だったら命懸けで戦え!」
旧幕府軍は宇都宮城を奪取したが、4月23日、新政府軍によって奪還された。
戦いの最中、土方は足を負傷し、4月27日に会津城下に入り、療養生活に入った。
「今度の戦でも、沢山の人が死にましたね・・」
「あぁ。」
「あの時、俺が“力”を使っていれば、近藤さんを助けられたのに・・」
「エレン、あの時局長はおまえにそれをさせない為に自ら投降した。」
「でも・・」
「後ろを振り返るな、前だけを進め。」
「はい・・」
エレンはそう言った後、鼻を啜った。
「そういえば、エルヴィンさんから文は・・」
「来ねぇ。まぁ、便りが来ねぇのはあいつが元気な証拠だ。」
「そうですか。」
新選組が会津入りし、リヴァイ達新選組は会津藩に歓迎された。
「あ、あの人が・・」
「伝説の人斬り・・」
「うわぁ、ちっせぇ・・」
沿道をリヴァイ達が歩いていると、見物に来ていた少年達の歓声が聞こえた。
「チビは余計だ、クソガキ・・」
「まぁまぁ、落ち着いて・・」
ハンジがそう言ってリヴァイを宥めた時、彼女は突然大声を上げて向こうからやって来る人物を指した。
その人物は、エルヴィンだった。
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