画像は
湯弐様からお借りしました。
「FLESH&BLOOD」の二次小説です。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。
海斗が両性具有設定です、苦手な方はご注意ください。
性描写が含まれます、苦手な方はご注意ください。
「ジェフリー様・・」
「俺の妻を今度侮辱したら、ただでは済まないぞ。」
「この子が、あなたの妻ですって!?」
「あぁ。カイトとは正式には結婚していないが、近々俺は彼女と一緒になるつもりだ。」
「そんな事、認められないわ!」
「認められなくても、俺達は結婚する。」
「ジェフリー!」
ジェフリーの前に、怒り狂ったエセルが現れた。
彼女は、ジェフリーを睨みつけた。
「あなたは、本気でこの子と結婚するつもりなの!?」
「えぇ、あなたに何と言われようとも、俺はカイトと結婚します。」
「勝手になさい!」
エセルはそう叫んだ後、ドレスの裾を翻してアーリントン家の大広間から出て行った。
「あら、誰かと思ったらジェフリーではないの?」
「お久し振りです、マダム。」
「そちらの方が、あなたの伴侶ね?」
アーリントン夫人は、そう言って海斗に微笑んだ。
「初めてお目にかかります、カイトと申します。お騒がせしてしまって、申し訳ありませんでした。」
「いいえ、そんな事はないわ。そのネックレス、あなたに良く似合っているわ。」
「ありがとうございます。母の形見なんです。」
「こんな所で立ち話もなんだから、向こうで話さない?」
「はい、喜んで。」
アーリントン夫人と海斗は、大広間の隅にある長椅子の上に腰を下ろした。
「あの、奥様とジェフリーの関係は・・」
「ジェフリーとは、長い付き合いでね。わたしは昔、彼の家庭教師をしていたのよ。」
「そうなのですか・・」
「ジェフリーの事を、宜しく頼むわね。」
アーリントン夫人に認められた事で、海斗とジェフリーの結婚は社交界に認められる事になった。
「まぁ、素敵なドレスね!」
「パリでは、コルセット無しのドレスが流行っていますのよ。カイト様には、白が似合いますわね。」
マリーは海斗のウェディングドレスの仮縫をしながら、そう言うと笑った。
「結婚式は、何処でやるの?」
「エディンバラだ。あそこには、カイトの母親が眠る教会があるからな。」
「そう。」
結婚式まであと三ヶ月となったある日、海斗はジェフリーと共にピクニックへと来ていた。
「風が気持ちいいね。」
「あぁ。」
二人がそろそろ屋敷へと戻ろうとすると、突然土砂降りの雨に降られた。
「濡れちゃったね・・」
雨宿りの為に避難した馬小屋で海斗がそう言うと、ジェフリーが突然彼女を抱き締めて来た。
「え、ジェフリー?」
「お前を、抱きたくなった。」
「ん・・」
濡れたブラウス越しに乳首を弄られ、海斗は下腹の奥が疼くのを感じた。
「あっ、駄目・・」
「こんなに、濡れているのに?」
ジェフリーは、そう言いながら海斗の膣を弄ると、彼女の小さな分身が白濁液を吐き出した。
「指、抜いて、お願い・・」
「解しておかないと、辛いだろう?」
「欲しいの・・」
「そうか。」
ジェフリーはそっと指を海斗の膣から抜くと、己の分身を彼女の中に埋めた。
「はぁっ・・」
「きついか?」
「あ・・奥、奥まで・・」
ジェフリーが海斗の最奥まで己の分身を進めると、柔らかい彼女の肉襞が彼を包み込み、締め付けた。
「カイト、動くぞ・・」
「ゴリゴリして、気持ちいい!」
「カイト・・」
「あ~!」
海斗は脳髄の神経が焼き切られるような激しい快感に襲われ、意識を失った。
「カイト、大丈夫か?」
「俺・・」
「風邪をひかない内に帰ろう。」
「うん。」
三ヶ月後、ジェフリーと海斗はエディンバラにある小さな教会で結婚式を挙げた。
「天国から、お前の母さんやお祖母様も見守って下さっているよ。」
「うん、そうだね・・」
結婚式を終え、宿泊先のホテルで二人は一夜を過ごした。
「カイト様は、ジェフリー様に愛されておいでのようですね。」
「え?」
「情熱的なキスマークがついていますわ。」
「もう、余り目立つところに痕をつけるなってあれ程言ったのに・・」
海斗は手鏡でジェフリーにつけられたキスマークを確認して溜息を吐いた後、宝石箱から黒真珠のチョーカーを取り出し、それを首に巻いた。
「これで目立たない、と・・」
「まぁ、お似合いですわ。」
「それじゃぁ、行って来ます。」
自室から出た海斗は、ジェフリーが待つ玄関ホールへと向かった。
「そのチョーカー、良く似合っているな。」
「あなたがつけた痕を隠す為につけたの。」
「そんなに怒るな。」
ジェフリーと海斗がロンドン市内のホテルで開かれた慈善パーティーに出席した際、海斗がつけていた黒真珠のチョーカーが貴婦人達の注目を浴びた。
「何処のものかしら?」
「見事な黒真珠だわ・・」
偶々海斗がつけていた黒真珠のチョーカーは、一時期貴婦人達の間で流行した。
「カイト・・」
「今夜は、痕をつけないでよ。」
「わかった・・」
ジェフリーはそう言うと、海斗の唇を塞いだ。
「奥様、どうかなさいましたか?」
「少し、気分が悪くなって・・」
いつものように書類仕事をしていた海斗は、突然激しい吐き気に襲われ、トイレに駆け込んだ。
「もしかして、悪阻ではありませんか?一度お医者様に診て貰っては?」
(赤ちゃん・・)
ジェフリーと結婚してからというもの、彼は昼夜問わず海斗を激しく抱いた。
妊娠の可能性もあるかもしれない―そう思った海斗は、ある場所へと向かった。
そこは、海斗の知人で産婦人科医であるリリーが経営している診療所だった。
「カイト、どうしたの?」
「リリー・・」
「その様子だと、何かあったのね?待合室で待っていて。」
「うん・・」
数分後、海斗は妊娠している事をリリーから告げられた。
「おめでとう、今は妊娠九週目よ。悪阻が酷くなる時期だから、余り無理しないようにね。」
「わかった。」
「ジェフリーには、まだ話していないの?」
「うん・・」
「早く話した方が良いわ。」
クリニックから帰宅した後、海斗はジェフリーに妊娠している事を話した。
「そうか。」
「嬉しくないの?」
「いや、そうじゃないんだ。初めての事だから、どうしたらいいのかわからなくてな・・」
「俺だって初めてだからわからない事が沢山あるよ。だから、これから二人で乗り越えていこう。」
「あぁ。」
安定期を迎えた海斗は、仕事を暫く休む事にした。
「経過は順調よ。」
「リリー、俺ちゃんと育てられるかな・・」
「不安になるのは当り前よ。ねぇカイト、ジェフリーのご家族はあなたの妊娠の事を知っているの?」
「ううん、知らないと思う。ジェフリーは、両親と上手くいっていなかったみたいだし、ジェフリーのお母さんは、俺の事を嫌っているようだし・・」
「それは、そうかもしれないわね。わたしだって、夫のジョーと知り合った時、彼のお母さんから色々と嫌な事を言われたの。まぁ、最後は和解したけど、やっぱり一度、話し合うべきだと思うのよ。」
「そうか・・」
ジェフリーが、実の両親と仲が悪い事は知っているし、エセルと今更和解するのも無理だという事も知っている。
「カイト。」
「ナイジェル、久し振りだね。」
「妊娠したとジェフリーから聞いたから、悪阻を和らげるハーブティーを持って来た。」
「ありがとう。ジェフリーは書斎に居るよ。」
「わかった。」
ナイジェルが持って来てくれたハーブティーの茶葉をティーポットに海斗が淹れていると、外から誰かがドアノブを激しく叩く音が聞こえた。
「どちら様ですか?」
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