素材は、
湯弐様からお借りしました。
「火宵の月」「ツイステッドワンダーランド」二次小説です。
作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。
有匡様が闇堕ちする描写が含まれます、また一部暴力・残酷描写有りですので苦手な方はご注意ください。
二次創作・BLが嫌いな方は読まないでください。
それは突然、始まった。
いつものように自宅で土御門有匡が、妻・火月と二人の子供達と過ごしていると、結界内に侵入者が入って来た気配がした。
「先生・・」
「火月、子供達を連れて安全な場所へ・・」
「きゃぁっ!」
自分の背後から火月と子供達の悲鳴が聞こえ、有匡が振り向くと、そこには奇妙な服装をした数人の男達が火月達を拘束していた。
「妻と子供達に何をする!」
「こいつらを連れて行け!」
「やめろ、彼女達に手を出すな!」
有匡がそう叫んだ時、彼は背後から後頭部を何者かに殴られ、気絶した。
微かな意識の中で有匡が覚えていたのは、狭い箱の中に閉じ込められた事だった。
ガタガタ、と激しく揺れる音と共に、有匡が箱の蓋を乱暴に開けると、そこには見知らぬ場所で、自分達を襲った謎の男達とは少し違った服装の少年達の姿があった。
「何だ、こいつ!?」
「変な格好・・」
(一体、ここは何処だ?火月達は・・)
有匡が周囲の現状がわからず混乱していると、そこへ変な仮面をつけた男がやって来た。
「おやおや、あなたが新入生の方ですか?それにしても、ちょっと老けて・・」
有匡は耳元で煩く喚く仮面の男に向かって炎を放った。
「ちょっと、何をするんですか!」
「それはこちらの台詞だ!妻と子供達は何処に居る!?」
「ひぃっ、落ち着いて下さい!」
「学園長、こちらの方はどなたです?」
軽やかな靴音と共に一人の少年が現れた。
銀髪に碧い瞳をしたその少年は、じっと有匡を見つめた。
「こちらの方を、どちらの寮に入れるおつもりで?」
「はっ、そうでした!ささ、こちらへどうぞ!」
仮面の男は有匡の腕を掴むと、彼を大きな鏡の前へと連れていった。
「何だ、この鏡は!?」
『汝の魂には、僅かながら慈悲の心がある。しかし・・汝に相応しいのは、ハーツラビュル!』
「おやおや、残念ですねぇ。」
銀髪の少年は、そう言うとわざとらしく大きな溜息を吐いてみせた。
(何なんだ、ここは?)
意味がわからぬまま、有匡は赤毛の少年―リドル=ローズハート寮長が治めるハーツラビュル寮に世話になる事になったのだが―
「僕が、いつだって正しいんだ~!」
「リドル~!」
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