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カテゴリ:ブックレビュー
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」のなかで、獣人とよばれる怪人がおります。これで「じゅうと」といいます。
この獣人は、折り紙でつくられたものを持っているそうです。これによって、強さがわかるようになっております。 その折り紙が猫であったときは、強さのランクはBとなります。鶴の場合はA、そしてペンギンだった場合はSとなります。 猫とペンギンを折ったことがない私にとっては、鶴よりもランクが高いのでは・・・なんていうアホなことを思ったのはさておきまして・・・ で、今回の物語においても、似たようなことが起きております。 真奈の父親である健一は、折り鶴を持っております。これが、ただの折り鶴ではないようで、この折り鶴にアロマオイルが仕込まれているのです。 実はこの折り鶴・・・健一が母親を預けている老人ホームにおいて、ボランティアをしている女性からもらったもの、ということです。 折り鶴・・・というのはともかくとして、この折り鶴にいい匂いがするアロマオイルが仕込まれている・・・もうこれだけで、バクダンめいたものを私はイメージしてしまいました。まさに家庭を崩壊させるに値するほどの破壊力をもっているのでは・・・なんて。 そんな意味では、ドンブラザーズの折り鶴と同じくらいの脅威が、この折り鶴には内包されているのかもしれません。 ・・・ 優吾の両親が指定したレストランにて、改めて挨拶をすることになった真奈と両親。 ただ、優吾の両親は、ヒトクセもフタクセもある人物であるらしい。しかも、その息子である優吾でさえも、「とある黒歴史」を抱え込んでいるようである。 そんななかで、両家交えての食事会が始まったのであるが・・・初っぱなから雲行きが怪しくなりだして・・・。 ・・・ このレストランでのお食事会の最中、優吾の父親がこんなことを言います。 真奈さん、優吾は結婚を軽く見てたわけじゃない。ただね、男ってのは己の牙を研ぐ資金が必要なときがある。僕が言ったんだ。二十代は金を貯めるより、自分への投資にかけろって。どうか許してやってください。 この言葉が真奈の心にグサリと刺さったようで、こんなことが語られます。 自分への投資。 お金は貯めたが、それは怠ってきた。女子会もランチの誘いも3度に1度は断り、ひたすら貯金をした。そのせいか今では誰にも昼食に誘われなくなり、学生時代の友人とも疎遠になってしまった。 優吾と交際してきたこの2年間、自分は何をしてきたんだろう? 世界は彼を中心にして回り、それはとても楽しかった。でも「己の牙」とやらを磨いたかと考えると、自分の爪すら磨いていない。 その間に優吾は英会話にゴルフにスキーに釣り、テニスと、さまざまな趣味や人脈を広げていったのに。 自分のために、そして生活のためには、仕事をして給料を貰い、なおかつこまめに貯金をしなければなりません。 そうなりますと、友人と会ったりとか、趣味を持ったりしますと、どうしてもお金というものを使わなければなりません。 お金を使わないのままでいると、いつしか友人と疎遠になってしまったり、無趣味な人間になってしまったりするのです。 つまりは、お金を貯めるためには友人や趣味を犠牲にしなければなりませんし、友人や趣味のためにはお金を犠牲にしなければならない・・・というジレンマが発生するのです。 これにかんしては、「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」でも言及がなされておりました。つまり、お金を使わなければならないときに使うべきだ・・・ということです。自分のためになること、そして、どうしてもやらなければならないときにこそ、お金というものを使わなければならない、ということなのです。 さすがに、お金をドブに捨てるようなことにお金を使うわけにはいかないですが、使うべきときにはきちんと使うようにしなければなりませんね。 ・・・ということで、第三章に続くのですが、この第三章は、第二章が終了する2022年6月12日掲載ぶんの途中から開始されることになります。翌13日にある新聞休刊日を経て、その翌日へと続くことになります。 なんか、どんどんヤバいことになりそお・・・ということで、戦々恐々しております・・・ 伊吹有喜(いぶき・ゆき)著・合田里美(ごうだ・さとみ)画「娘が巣立つ朝(第二章)」 河北新報日刊版掲載 2022年5月9日〜2022年6月12日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんにちは。この小説、途中から読み始めたんですが面白いですよね!
娘は無事に巣立てるのか? 娘が巣立った後にあの夫婦はどうなるのか? 何事もなかったように静かに初老の夫婦二人の生活が続くんじゃないかな~と思っているのですが。 今日の智子さんの様子が、一人娘の結婚を6月に控えた私の友人の姿に重なって、(仲良し母子の母とはこういうものなのか?)と思ってしまいました。 お父さんはどうしたらいいのでしょうね。 (2023.02.10 18:22:18)
ゆうさんさんへ
コメントありがとうございます。 残念な状況になりつつあるのですが、そんななかであっても、このあとハッピーエンドになってほしいな、と思うところです。 (2023.02.15 16:19:00) |