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カテゴリ:ビジネス本
一人の人間が歴史を変えたとしても、実際に影響を与えた人間は、往々にして歴史の陰に埋もれてしまいます 天才の栄光と挫折―数学者列伝から一番興味深かったアラン・チューリングを紹介します 暗号解読の天才として、第二次世界大戦の趨勢を決定づけた暗号エニグマの解読を行った彼は、暗号につきものの守秘義務によって、その才能を発揮する場を失い、人生の歯車を狂わせてしまいます (彼の詳細な一生はこちら) 結果的に自殺(暗殺説あり)してしまった彼自身の才能をもっと有意義にいかすことはできなかったのか、時代の波とそれに巻き込まれる天才として非常に印象的でした 紹介したい言葉 アラン・チューリング 213頁 暗号解読におけるアラン・チューリングの才能は図抜けたものだった。 ブレッチリー・パークの司令塔のごとく、彼の卓抜なアイデアが全体をリードした。 チューリングがいなければ、ほぼ確実にイギリスはドイツに降伏し、従って全ヨーロッパはヒトラーの支配下となったはずである。 彼は救国の英雄どころか、世界史を変えたと言ってよいほどの仕事をしたのである。数学者達が驚くほどの力を発揮したのは、機械暗号の解読に純粋数学の一分野である置換群論がうまく利用されたばかりではない。 何より役立ったのは数学的思考そのものだった。多様で混沌とした現象の中から論理構造を見出し理解しようと、集中して考え続ける習性が、誰も予想しなかったほど役立ったのである。 230頁 私はアランの失望を思った。その天賦の才を全身全霊で国家のために捧げてきたのに、自ら生み出したコンピューターと祖国を救った暗号が、たまたま国家最高機密だったため、国家の邪魔者となってしまったのだった。 第二次大戦とそれに続く冷戦に翻弄されたのである。生まれた時代が悪かった。 あの日と同じように冷たい六月の雨が降り続いていた。 息苦しい思いで寝室の窓から門を見下ろすとアランも見たであろう柳の大木が雨に濡れ、目にしみるような縁を光らせていた。 抜粋了 (注:紹介のため、改行や行間を一部訂正しています) 3.本を読んで得たヒント、展開的アイデア、やるべきこと 数学の驚くべき可能性と、それが即幸福に繋がらないことについて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このブログは、土井英司氏のビジネスブックマラソンで紹介された本を中心に「気になった言葉」を紹介し、 ・本を読んで得たヒント、展開的アイデア、やるべきこと を徒然に書す備忘録的ブログです 訪れていただいたすべての方とその周りの人たちに、 今日もすべての善き事が、雪崩の如く起きますように ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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