岩手教育研究会に参加して
岩手県教育研究発表会。とっても勉強になった。2日間で県内1800名くらいの先生達が集まる大規模な研究会だ。花巻温泉のホテルが会場。僕も1日目午後から参加させてもらった。2日目午後の自分の発表前に、この研究会の空気をつかんでおきたかったからだ。まず驚いたことは、岩手の先生達は全国学力状況調査の全国順位をとっても気にしているということだ。横浜の場合はどうだろう?ちなみに自分は全く気にしていない。ほとんどの横浜の教員にとっては、Out of 眼中なのではないだろうか?でも岩手は、この順位が岩手の教育の評価の基準になっているかのように錯覚するくらいだった。そのために、家庭学習のあり方をどうするか、部活動をやり過ぎなんじゃないか、(部活が終わったあと、同じメンバーがスポーツ少年団に早変わり、夜9時までやる なんていう風習が岩手にはあるらしい。)という議論が、メインの800人くらいの会場で話し合われていた。自分が最も学んだことは、「自分には信念と覚悟が足りない」ということだ。様々な学校の様々な実践を聞いて、信念と覚悟を持ってやっている先生に生徒達がついてくる。そして素晴らしい成果を得ていると感じた。ある学校は合唱で、ある学校は体力づくりで、ある学校はライフスキル教育である学校はワークショップ型の職員研修を取り入れて、職員みんなの同僚制を高め授業改善に取り組んで落ち着いた学校をつくっていたり・・・。どの活動にも中核に、信念と覚悟を持った先生がいる。僕に足りないのは、これだなと思った。同じようにワークショップ型の研修は取り入れていても、それを学校の柱にするところまでしていない。一歩手前でなんだかぐらついている。そんな自分を発見した。ちょっと悔しい。今回の岩手での発表は、夏のIMETS2010のカリキュラムマネジメントの研修でお手伝いさせていただいたことがキッカケになった。夏はワークショップ型の職員研修で「みんなでつくる学校目標」を発表した。その発表を聞いた岩手教育センターのS先生が、僕を推薦してくださったのだ。でも、今回与えられたのテーマは「みんなで進める生徒指導」。(僕の方が教えてほしい~!という内容だ。)担当のT先生から切り口として、1)日常の学習指導2)生徒指導体制の充実の2つをいただいた。1)の切り口からは、今年うちの学校が研究主題として取り組み 公開授業研究会までやった「学び合う授業をつくる」「ICTの効果的活用」の実践を紹介、2)の切り口からは、目標の共有=「みんなでつくる学校教育目標」の実践を紹介した。でもその前に、僕が赴任した10年前からどんな実践をしてきたのかも話したかった。荒れからたち直りかけていた学校から、さらにとてもいい学校になるまでの実践を5つの観点に分けてそれぞれほんの一部だけを紹介した。(ディナーショーの実践紹介でのプレゼンを元に)つまり、3部構成。もりだくさんすぎたかな?さらに、ディスカッションでは、今の現状から学んでいることも紹介した。岩手の先生達がどんな受け止め方をしてくださったのだろうか?率直な感想を聞きたいと思った。ちなみにこのプレゼンを発表までに6人の人に見ていただいてアドバイスをいただいた。本当に感謝だ。20分の持ち時間。最初はメロメロで時間をはかることさえできなかった。2回めは、30分。1/3を削除しなくてはならない。3回めは、25分。さらに削除。4回めは、20分。やった!5回めは、23分。同じ内容なのに、聞く人によってこんなにちがう。6回めは、前日会場でT先生に見ていただいた。逆にビデオ映像を付け加えた。25分までは延長してもいいと言われていたけれど、本番、27分。どひゃー。中川先生のように、時間ぴったりに終わる職人技に憧れる。そして最後は、盛岡で集まってくれた全国学校レクネットワークのメンバー達に飲みながら見てもらった。この時は、時間は関係ない!?昼間は行けなかったけど、夜ならと集まってくれた。そして、もう一度プレゼンをしろというリクエスト。こうして岩手にも大好きな仲間達がいることがとってもうれしかった。本当にこんなに多くの人の支援を受けて、会場に立てたことに感謝である。同じシンポジストだったON先生からは、職人技を標準化(マニュアル化)し、若い人たちに伝えていくことの大切さを教えていただいた。おなじくOR先生からは、家庭では教えにくくなっている性教育、薬物教育、携帯教育などをまとめて年間を通じて行うライススキル教育の大切さ、さらにライフスキル教育で学んだことを劇にして発表する、その実践の完成度の高さに驚かされた。そしてなにより、この研究会を企画している教育センターの先生達の熱い情熱は本当に素晴らしいものがあると思った。岩手の教育が良くなるために、先生方が楽しんで、ためになる研修をやろうという高い志に従って動いているところにとっても感銘を受けた。こんな機会を与えてくださったすべてのみなさんに感謝致します。そしてこれから、岩手でいただいてきたものを横浜に少しでも還元していきたいと思っている。