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カテゴリ:洋画(07)
「やられたら、やり返すの!」
サスペンスタッチの怖い話だということは事前に聞いていた。それだけで済まさないところが、さすがにジュゼッペ・トルナトーレ。 北イタリアのトリエステにやって来た異国の女イレーナが、金細工の工房を営むアダケル家のメイドに雇われる。それは周到に策を講じて手に入れた念願の職場だった。完璧な仕事ぶりですぐに主人夫妻の信頼を得ると、最初こそ手を焼いていた彼らの4歳になる一人娘テアの心も確実に掴むのだった。しかし、テアを慈しむイレーナの本当の目的を知るものは誰もいない。さらに、忌まわしい過去の黒い影が忍び寄る。(goo映画より) 監督 : ジュゼッペ・トルナトーレ 音楽 : エンニオ・モリコーネ 出演 : クセニア・ラパポルト 、 ミケーレ・プラチド 、 アンへラ・モリーナ 、 マルゲリータ・ブイ 、 クラウディア・ジェリーニ モリコーネの心臓に錐を入れたり叩きつけるような音楽。過去のフラッシュバックと次第と明らかになるイレーナの目的。目が離せない展開は、説明不足の部分はあるにせよ、満足の出来。 これは女性にはきつい話だろう。と思う。私は「長い散歩」を思い出した。結局イレーナの行動はイレーナ自身にも理解できていなかったに違いないが、ひとつは自分の過去を罰していたのだろうと思う。子供に「やられたら、やりかえすの!」と言って生き抜く知恵を身に付けさそうというのは、その一つの表れだろう。緒方拳演じた元校長は賢明な男だったので、きちんと落とし所を持っていたが、ウクライナから流れてきた外国人労働者の彼女には十分な教養を身につける時間はなかった。だから物語は悲劇になっていく。けれども「長い散歩」では描かれなかった「ラスト」がここにはあり、さすがに少しやられた。うん、ああでなくちゃいけない。 映画の背景に西欧の外国人労働者の出稼ぎ事情がある。この映画がサスペンスだけに落ちなかったのは、そのことに対する批判的な目があるからに他ならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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