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カテゴリ:洋画(08)
美しいとはどういうことなのだろう。
インド洋から登ってきた暖かい空気が、ヒマラヤ山脈で冷やされて雲になり、吹雪を作り、止んで満天の星を眺め、やがてまた朝焼けを迎えるその映像は美しい。しかし渡り鳥にとっては乱気流のあるこの山は命を賭けた越えなければならぬ山なのだ。 北極からアフリカ、そして南極へ。この映画は美しい自然の描写が主人公ではない。その自然の元で、生きるために精一杯闘う動物の姿が主人公なのである。 監督 : アラステア・フォザーギル 、 マーク・リンフィールド 音楽 : ジョージ・フェントン ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 地球は「幸運の惑星」なのだという。太陽からちょうどうまいぐらい離れていたからと言うことだけではない。太古の昔に隕石が地球にぶつかり、ちょうど太陽に向かい23.5度の傾いた位置で自転を始めたため、地球では夏と冬が交互に来るようになったのである。そのため、地球はものすごい変化のある惑星になった。 その変化の下で生物は鍛えられ、そして繁栄していった。それはすなわち、日々闘っているということなのだろう。 その姿が美しいのである。 残酷なのに美しいとは何たることか。 けれども、かけがえのないものは美しいのだ。 空を黒くする渡り鳥の群れ、砂嵐のなかを行進する水牛や象、乾季と雨季とではっきり景観が変化するサバンナ、ザトウクジラの南極でのダンスのような食事、それらは全て美しいのだが、その元では生死を分けるような闘いがある。 彼らの戦いはこの数年で大きく追い詰められているらしい。いうまでもなく温暖化の影響である。美しい、というのはいうまでもなく知性でわかることではなく感性の問題である。知性に訴える作品が「不都合な真実」であったとしたら、これは感性に訴える温暖化反対映画になるだろう。 クリックするだけで一円募金ができます。 イーココロクリック募金 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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