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再出発日記

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2008年11月24日
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07年夏に「私のすすめる岩波文庫」と言う「図書」の臨時増刊号について書いた。岩波文庫80周年。この本によって私は「アリランの歌」を読むことが出来たのである。

今回宮崎駿の表紙の「図書」が平台で置かれていた。(もちろん無料である)「私のすすめる岩波新書」と言う臨時増刊号である。岩波新書70周年だそうだ。

巻末特集に初代編集長だった吉野源三郎の「岩波新書創刊の頃」と言う短文がある。

創刊は1938年であるが、計画が始まったのは盧溝橋事件のすぐあと1937年の秋ころからだったと言う。
「とにかく私たち、日本人はこの現実を直視しなければならない。そのためには何よりも先ず、日ごとにつのる偏狭な国粋主義の思想に抵抗しなければならない」と考えていましたが、そのとき目にとまったのがほかでもない、ペリカン・ブックスでした。
簡便な装丁、時期を得た一流著者の書き下ろし、創刊の岩波新書は大きな成功を収める。創刊の辞は社長の岩波茂雄が書いている。「吾人は非常時における挙国一致国民総動員の現状にすくなからぬ不安を抱くものである。」驚いたのであるが、岩波は赤版の巻末のすべてに付されるところにここまで書いていた。

まあ、無料なので、みなさん手にとって持ち帰ってみていただきたい。私もまたぞろ、読みたい本が増えてしまって困っている。

最近姿を見せないで心配している加藤周一がコメントみたいな薦める新書を紹介している。1.「万葉秀歌」2.「物理学とはなんだろうか」3.「昭和史新版」加藤ならば1は当然として、2については「敗戦後日本の散文の最も美しいものの一つ。」と書いている。3については意外にも「それによって小生が軍国主義を脱却した本です」とある。新版ではなく、旧版によって、ではあろうが、それにしてもそんなすごい新書だったのか、昔読んだような覚えはあるが、もう一度読んでみよう。

218名からの回答のうち、一番多かったのは「日本の思想」(丸山真男)だったそうである。むべなるかな。意外だったのは、「羊の歌」(加藤周一)がベストテンぐらいに入っていると言うことだ。いろんなタイプの人が加藤周一という人間を愛している。他に多かったのは、意外にも「バナナと日本人」(鶴見良行)9人である。鎌田慧が「いまや世界認識の古典的な教科書であり、ルポルタージュの方法の入門書である」と書いている。之も未読である。今回増刷されたようなので読んでみたいと思う。「万葉秀歌」は7人。当然だろう。教科書裁判で関心が高かったのか、大江健三郎「ヒロシマ・ノート」「沖縄ノート」ともに人気が高かった。「沖縄ノート」はまだ読んだことがない。読みたい。「歴史とは何か」(E.H.カー)も6人の人が挙げていた。これは大学のときの演習で読んだ。これはぜひとも再読したい。「自動車の社会的費用」(宇沢弘文)という本を5人もの人が挙げている。どうやら経済学の名著らしい。

雨宮処凛は一冊だけ挙げていた。川田龍平も「豊かさとは何か」「法とは何か」の次に挙げていた。金平茂紀というTBS報道局の人も挙げていた。この本のなかに今年発行の岩波新書があがるのがそもそも異例なのではある。それはこの本だ。
「ルポ貧困大国アメリカ」(堤未果)
巻末に新書編集者の座談会があって、このように述べられている。
A「今年の一月に刊行した「ルポ貧困大国アメリカ」が大評判になっていますね。夏には20万部を超え、今もよく読まれています」
B「時代を先んじたところがよかったのではないでしょうか。アメリカ社会があのような深刻な問題を抱えていると、みんなうすうす感じ始めていたところに刊行されたわけです。日本でも「格差社会」と言われていたのが、「それどころじゃない。いまや問題は貧困なのだ」と言われ始めたときでしたから、アメリカの話は決して他人事ではないと感じられたのだと思います。書評がたくさんでましたが、それ以前から売れ行きがよかった。ネットでさかんに取り上げられたことが効いているようです。」

この座談会で、編集者たちはアマゾンの書評やブログなどを参考にしていることを告白している。それはブログの書き手の私たちにとっても非常に励まされることではある。出来ることならば、出来るだけ多くのブログに目を通して欲しいと思う。そして発売当初だけでなく、一年くらい経ったあとの感想にも目を通して欲しい。読書は決して流行ではない。真面目に読んだ人の感想から、次の新書の企画のヒントを汲み取って欲しいと思う。





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最終更新日  2008年11月25日 00時13分40秒
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