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再出発日記

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2010年10月04日
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注文の多い料理店
ひさしぶりに賢治を読みました。何度読んでも新しい発見があるのが、宮沢賢治です。
読んだのは、新潮文庫版「注文の多い料理店」。あまり知られていない短篇がたくさん載っていて、今回はそれに注目しました。

「狼森と笊森、盗森」には自然と人間の正しい関係があります。

「月夜のでんしんばしら」賢治は一度も軍隊に入ったことがありません。けれど、いよいよ賢治は軍隊が嫌いだということが分ります。
電信柱の歩兵は「もうつかれてあるけない。足先が腐り出したんだ」と言うと、「はやくあるけ、あるけ。きさまらのうち、どっちかが参っても一万五千人みんな責任があるんだぞ」と隊長はせかします。

「さるのこしかけ」つくづく賢治は軍隊が嫌いだったらしい。
楢夫「いくら小猿の大将が威張ったって、僕の握りこぶしの位もないのだ」と、大将を揶揄します。
でも楢夫があまりに小猿をぞんざいに扱ったので一命を危うくする所で目が覚めるのです。

「気のいい火山弾」デクノボーのようにみんなに馬鹿にされる火山弾、ところが「こんな立派な火山弾は大英博物館にだってない」と学者が来てもってゆく。火山弾の最後の言葉は賢治の叫びです。

「ひかりの素足」盛岡の真冬の透明な描写、風の又三郎の死の預言。うすあかりの国へ兄弟で入り、兄の一郎は生還、弟の楢夫は死ぬ。「銀河鉄道の夜」の先駆形の一つであり、賢治の仏教観が色濃く入った作品でもあります。「みんなひどく傷を受けている。それはおまえたちが自分で自分を傷つけたのだぞ」 哀しい傑作です。

「土神と狐」土神(正直、暴力的、嫉妬)と狐(少し小狡いが誠実、賢い)と樺の木(美しい、純粋、無力)との三角関係です。高校のとき、これを基に漫画を描きかけて挫折したことを思い出しました。あまり知られていませんが、濃密なドラマが入った傑作です。これを原作に韓国映画よりも凄い恋愛映画ができると思うが誰か創らないか?





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最終更新日  2010年10月04日 09時01分24秒
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