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再出発日記

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2012年10月15日
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「朝鮮民芸論集」浅川巧 岩波文庫

凡ての場合、正しき使命をもつものの存在は飾りになっても邪魔にはならない。邪魔になるものは無用のものに限る。(39p)

疲れた朝鮮よ、他人の真似をするより、持っている大事なものを失わなかったなら、やがて自信のつく日が来るであろう。このことはまた工芸の道ばかりではない。(昭和3年3月3日 於清涼里)(45p「朝鮮の膳」より)


実用の中に本当の美を見出し、本当の美の復活を田舎で細々と使われていたお膳や陶器、箪笥を探し出すことで明らかにし、陶器の破片を拾い蒐めては、昔の窯跡の復活を願い、記録した。その記録を美しい日本語で書き、戦前の朝鮮で出版した。浅川巧(1891-1931)は、日本人として朝鮮の人に慕われている数少ない、そして韓国内の共同墓地に墓がある唯一の日本人として、今年私は大いに興味を持った。

墓参りもしたが、それは別に書く。

著書を読んでわかったのは、地道で誠実な人だということである。大きな運動を起こす人でも、リーダー的な人でも無い。しかし、一片の陶器の破片から世界の凡てを見通せる人である。一冊の本から『人格』が匂いたってくる。

「金海」という文章にビックリする。浅川巧は亀浦駅から川向こうの山を人目見て、その向こうに窯跡があることを予感したのであるが、実際その場に立って見て、見えるのは広大な洛東江の川の流れと広い平野なのだ。彼はおそらくそこから川を渡り、金海の街中に入り、更に山の奥に入って行く。私の遺跡を捜す旅よりさらに困難な旅を嬉々とやっており、私もいつかこんな旅をしたいと思ったのである。

2012年9月17日読了
180彼岸花.JPG





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最終更新日  2012年10月15日 23時40分42秒
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