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2010.03.06
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『星空のメモリア』感想 第三十七回

“???”編





物語が停滞している。

あの部屋からは星空が見えない。



※以下、ネタバレ注意















































前回のあらすじ。

洋のことを覚えているのに、何故かしらばっくれる夢。


【10月14日】

夢は意地を張り続け、洋のことを“想い出の男の子”だと認めようとしない。

「だって、想い出の男の子は、キミと違って素直でかわいかったからね」

「今のキミみたいに、イジワルじゃなかったからね」

「だから、再会のキスなんて、絶対にしてあげないからね」


……。

まさか、展望台での再会以外はノーカウントってことか?



夜、展望台でメアに会い、夢の話をする。

メアは、夢が入院していると聞いて驚いているが…。

「その子……どこか悪いの?」

「どこが悪いかまではわからない」

「その子から聞いてないんだ」

言われるまでもなく、夢と関わる上で一番大事なことだ。

メアはいつも核心をつくなぁ。

「聞くべきかどうか迷った時は、聞かないべき。前にメアが言った言葉じゃないか」

「聞くべきだと確信した時は、相手が話す?」

「それはいつ?」


メアの語調は純粋な疑問符で、洋を責める響きは無いが……。

あれは「聞かないべき」という意見ではなく、「一緒に問題を背負うことを覚悟してから聞け」という忠告だと思うぞ。


【10月15日】


学校、夢のことが話題になっている。

嘆息する飛鳥。

「小河坂が再会したんだ。オレも、頑張らねえとな……」

“飛鳥伊麻”の件か。

星天宮関係なら、こさめさんに頼めば早かっただろうに、飛鳥は協力を拒む……。

夢の見舞いに行く直前、明日歩にお菓子を貰う。

「お見舞いの品。夢さんと一緒に食べて」

「夢さんが洋ちゃんの友達なら、あたしたちの友達でもあるんだから」


明日歩……健気な。



病室、前回と似たようなやり取りを繰り返すも、やはり夢は人違いだと言い張って譲らない。

「昔はお姉ちゃんって呼んでたな」

「そうだよ、昔は夢お姉ちゃんって……」

「今、昔って言ったな」

「言ってないよ。うん、言ってない」

言ったよ。

バックログ機能舐めんな。

「ていうか、誘導尋問……」

夢は警戒心を露にしている。

俺には単に自ら墓穴を掘りまくってるようにしか見えないんだけど……。

明日歩がくれたお菓子を見て、奇妙な反応を示す夢。

「お友達が作ってくれたんだ」

「女の子なんだ」

「洋くん、優等生になれたんだね」


“優等生”……前にも言っていたが、意味は不明。

洋も首を傾げている。

「彼女さんが作ってくれたんでしょ?」

「……いや、明日歩は友達だって」

「我慢しなくてもいいのに」

「洋くん、まだ優等生じゃなかったみたい。私の思い違いだったのかな」


イラッ☆

我慢なんかしてねーよバッキャロー。

俺が好きなのは乙津夢だ。

「俺が好きな子が夢の場合にはどうなるんだ?」

「……それはね、とっても残念なことになるよ」

「洋くんにとって、人生初の赤点になるんだよ」


……。

夢は、洋に対して明らかに好意を持ってる。

それでも拒絶されるのは、まだ洋の踏み込みが足りないからだろう。



洋は夢の病気のことを聞き出せないまま、世間話に流れていく。

夢は、そもそも学校にはまともに通えなかったそうだ。

夢に教育を与えたのは、祖母ともう一人。

「科学的な知識は、妖精さんに教わったんだ」

「すごくキレイな妖精さん。男性なのか女性なのかわからないくらいなんだよ」


また星神か。


メアとレンとは別みたいだし、一体この街に何柱いるんだよ…。

星天宮が発狂する気持ちが少しだけわかってしまったわ。

そして、別れ際。

「また……来ていいか?」

「うん、いいよ」

「洋くんは優等生になれるって信じてるから」


何のことか知らないけど、理由も聞かずにハイそうですか、と頷けるわけがない。



家に帰ると、部活をサボったことを衣鈴に責められる……立場が逆になったな。

「……天クルは、しばらく休むと思う。ちゃんと説明してなかったのは悪かった」

「私に部活の出席を無理強いしないなら、許してあげます」

毎日、隣町まで見舞いに行くつもりか。

漫然と顔を合わせ続けても、お互いに負担になるだけじゃないのか…。



夜、展望台でメアと会う。

「もし俺とメアがつきあったとしたら、俺ってロリコンになると思うか?」

「ならないわ」

「洋くんなんかとつきあったら、わたしがショタコンになるじゃない」


いやぁ……。

お巡りさんに連れてかれるのは絶対に洋くんの方だと思うよ。

「人の目には限界があるみたいだからしょうがないわ。本質を捉えきれないの」

「メアの本質って?」

「大人のお姉さん」

ニコーっと笑うメア。

もうお姉さんでも何でもいいや。



【10月16日】


夢の病室。

洋が入室すると、夢は窓から外を眺めていた。

夢は、例の“妖精さん”から教わったという知識を洋に披露する。

「えっとね、私たち人間の身体を構成する物質は、かつては宇宙の星々の一部だったんだって」

「人はみんな、宇宙に浮かぶ星のどれかがふるさとになってるんだよ」


ふるさと…。

自分の故郷を探し当てることに拘っていた、レンのことを思い出す。



小河坂家、千波が「妖精さんに宿題を手伝ってもらった」と騒いでいる……デジャブ。

「妖精さんに教えてもらってちゃんと提出してるから先生に怒られないんだよっ、正解率はいつも一桁だけどねっ」

レンの野郎、しばらく姿が見えないと思ったら、まだ千波に付き纏っているのか。

一方、千波が宿題を(一応)きちんと提出している、と聞いて沈黙する衣鈴。

「お姉ちゃんが勉強してるの見たことないけど……」

「お姉ちゃんは影で努力するタイプだから」

困ったような愛想笑いを浮かべる衣鈴がかわええ…。

前から思ってたけど、衣鈴の立ち絵の可愛さは神掛かってるな

でも今は夢ルートなんだし、気が散るのであんまり萌やさないで欲しいな…。



夜、展望台でメアと……。

……なんかここ数日、洋の行動範囲が固定化していないか?

特に新しいこともなく、メアの頭を撫で回して終わり。




【10月17日】


夢の病室。

夢は、洋に「星見をしているか」と問う。

閉鎖された展望台に不法侵入している、と正直に話す洋。

「洋くん、ワルだね」

「……表現が古いぞ」

……ワルってもう死語なのか。

でも、最近でもちょいワル親父とか言うと思うんだけど。

「私はワル、嫌いじゃないよ」

「優等生になれる素質を持ってるからね」


それは逆じゃないのか、と疑問を持つ洋。

夢の言う“優等生”の意味、少しずつわかってきた気がする。

二人はいつものように、星の雑学を話題にして盛り上がっている…。

「星とだって会話したいよ」

「どうやって?」

「今日も一段と輝いてますねって」

「……いや、会話の内容でなくて」

「今後も変わらぬご愛顧をよろしくお願いしますって」

「なんで営業の挨拶なんだよ……」

ヤバい、可愛い。

ニコニコ笑いながら、楽しげに冗談を言う夢。

本当によく笑う娘だ……って、思えばこのゲームのヒロインは全員よく笑っていた気もするな。

「ほとんどの隕石は彗星の塵。だけど稀に、宇宙を長く旅した星のかけらもやって来る」

「そこには光が宿っている……未知の命が宿っている」

「洋くんは、その誰かともう会ってるのかもしれないね」


……。

メアのことを示唆している……か?

メアは何度も「夢と約束を交わした」と言っているが、夢の側からメアの名前が出たことはない。




小河坂家、再び“妖精さん”、というかレンの話題で盛り上がる一同。

「次に妖精さんに出会ったらみんなのこと伝えておくから待っててねっ」

「……それまでに宿題をためておくことにする」

衣鈴はレンに宿題を丸投げするつもりらしい。

…この調子なら、レンはきっと衣鈴を気に入るだろうな。



夜になると展望台に向かい、メアに会う。

「できるとしたら、どの星と会話したい?」

「洋くんが聞かせてくれた星」

「なにを話したいんだ?」

「どうしてわたしを一人にしたのか……」

そんな言葉をぼうっと呟き、自分で驚くメア。

……なんのこっちゃ?

メアは、自分の内から噴出した言葉に不安を覚えている。

「わたし、どうして自分のことがわからないの?」

…何か気の利いた事を言え、洋。

「ゼロっていう概念は物理的にはありえないんだ。真空だって粒子が存在しているから」

「なに言ってるのかさっぱりだわ」

「すべては変わったように見えて、何も変わってないってことだよ」

「だからメアは忘れていても、思い出せる。その記憶はどこかにちゃんとあるからな」


こんなだから明日歩にも夢にも頭でっかちって言われるんだよ。

そしてこの間、延々とメアの頭を撫で続けている洋

「じゃあ、この気持ちも……」

「洋くんに撫でられる、気持ちも……」

「この気持ちも……途中で生まれたように感じて、最初から持っていたってことなの……?」


……。



病室と展望台を往復する日々。

穏やかだが停滞した日常に、焦燥を覚えるのは俺だけか。

何より大事な“夢の病気”について、洋は積極的に情報を得ようとしない…。

この一事だけで、万事が不安で仕方が無いよ。





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Last updated  2010.03.06 04:38:39
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