名前を呼んで。
『魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st』を視聴。う~ん、これもまた良いものだ…。そもそも原作からして合計六時間足らずのアニメを二時間強で焼き直すことに何の意味があるのかという疑問もあったが、見てみればなるほど洗練されている。真っ直ぐななのはと、ひたむきなフェイトの対立を軸にして感情に訴えるストレートなドラマを見るにつけ、やはり原作アニメのストーリーの優秀さを再確認せずにはいられない。原作の甘いところが補強され、必要なところは強化されている。魔法バトルの迫力も段違いで、これなら既存のファンでも十分楽しめる出来だろう映画版に文句をつけるとしたら二点。まず、原作第六話に相当する部分が大幅にカットされていること。アリサ・バニングスの平手打ちと過去語りは、高町なのはの人格を描くのに必要なものであり、また続くなのはからフェイトへのまっすぐな想いに説得力を与えるのに重要な描写であるのに、それが省かれたまま適切なフォローがなされていない。映画の構成に対する数少ない不満点である。そして、プレシア・テスタロッサの描写に時間を割きすぎていること。これは原作にはない部分で、Asも含めて多分に同人的で脇の甘い原作を補完するのに有効だったとは思うが、はっきり言って蛇足。この作品はなのはとフェイトの二人だけでいいんだよ。映画オリジナルのプレシアに対する同情的な描写は、原作最大の利点であるシンプルさを崩しており、俺の作品に対する集中力をかき乱した。プレシアの境遇が同情に値することなんて、きちんと視聴してる連中ならわかること。それを殊更に作品内で主張するのは作り手の感傷でありスマートではない。はっきり言ってしまえば、少しあざとく感じてしまう。なのはファンとしては面白い新情報を得られたとは思うが、それだけだった。気になるのは上記二点で、いずれも原作ファンの視点による批判でしかない。新規の視聴者なら普通に楽しめるだろう。原作見ても大して時間変わらないけど、俺はこっちでもいいと思うな。もちろん両方見比べて味わうのが最も好ましいことは言うまでもないが。ああ、それにしてもフェイトちゃんが愛しい。こんな子が、将来は軍属で超色っぽい敏腕女性士官になるとか、興奮しない方がおかしいと思うね。【送料無料】【セール特価】魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st【Blu-ray Disc Video】価格:7,919円(税込、送料別)