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伊奈利短歌 ツイ短歌 小説…伏見稲荷大社の物語 小説西寺物語 小説盆栽物語 小説鯖街道 小説老人と性 音川伊奈利

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2016年12月22日
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星世界三大美女の小野小町と深草少将との100日の恋、そして100日目に大雪で転落凍死…伏見稲荷大社の物語 78話

稲荷神社のある深草地域は豊かな農地が広がり2000年前の縄文時代から農業が盛んだった。この深草には朝廷の南部支所がありその支配地は深草、桃山、山科、宇治、八幡、淀までの広大な農地で地方の小さな県より年貢の石高は多かった。この南部支所は藤森にあり事務所と倉庫、それに南部支所長の屋敷まで入れれば約2000坪の広さだった。

この南部支所の最高責任者は従4位で少将の藤原憲明だった。この憲明をこの地域の人たちは「深草少将」と呼びこの支所も深草御殿と呼ばれて農民たちからもかなり慕われていた好人物でもあった。稲荷神社もこの深草にあり朝廷の出先機関である南部支所の管轄になり憲明こと深草少将とは稲荷神社三代目の宮司の伊蔵とは気が合い仲がよかった。

嵯峨天皇は東山の裏側になる山科と醍醐地区に新しい東部支所を作ると決められこの深草少将に東部事務所の設置場所を探せと命じられていた。この山科から醍醐にかけては山科盆地が広がり農地の開拓がまだまだ未開であった。それに山科、醍醐地域から深草支所へ年貢米を運ぶのには墨染峠という難所を越えなければならない。そこで奈良街道を北上して東海道から京の都に年貢を運ぶルートになった。

深草少将はこの山科の元豪族で小野氏の旧屋敷をこの東部支所の候補にしていた。この豪族は平安京になったと同時に桓武天皇に忠誠を誓っていた。そして小野氏が支配していた広大な土地が天皇家に取り上げられたが、この一族は貴族として召し抱えられていた。小野篁などがそれになる。

この小野氏の屋敷の敷地は奈良街道に面して約2500坪にもなるがこの屋敷に住んでいるのはほんの数名だった。その屋敷の仏間を随心院という寺にして住職は尼さんだった。深草少将はこの尼さんにこの寺はそのままにするが、その他の屋敷を東部支所にするがいいかと相談をしていた。この尼は即答をできないから少し待ってほしいという。この住職はどこかに相談をしにいったのかもう日が落ちていた。

深草少将は腹が減り裏庭に柿でもないかと探していた。すると離れ屋敷の障子がス~と開けられて品のいい女性が、
「お役人さま、住職は檀家の人々となにやら話込んでいます。寒いですから中にお入りください」
「それはかたじけない…」
深草少将はこの女性をまじまじと見るが、それは若くて綺麗でしかも貴族の姫のように髪は長くて肌は透けるように白い、
「そちはこの小野氏の姫なのか?」
「はい、小野小町と申します」
「しかし、小野氏の一族はすべて貴族で屋敷は宮廷の近くにあると聞いているが?」
「はい、私は従3位の小野良樹の娘で良樹が浮気してできた子供になります。それで仮の屋敷としてここに住んでいます」
「ほう、あの良樹さまのお姫さまでしたか」

この日はそのまま帰ってはいたが、深草少将はこの小町に一目惚れをしていた。それからこの屋敷に仕事で来るたびに小町の住んでいる離れ屋敷に恋文を置いていた。やかでその想いが通じたのか小町からの文がそこにあった。それを読むと、
「いつも素敵な恋文をありがとうございます。私の憲明さまのことをお慕いしています。人目もありますから夜の10時に私の屋敷に来てください」

深草少将は洛中の有名なお菓子を手土産にその日の午後8時に藤森の屋敷を出発していた。大和街道を南へ、そして墨染街道の峠越えだが、この峠は標高こそ約200mと小さな丘だがその急斜面の峠は難所としても知られている。約2時間かけて憲明は小町への夜這いに成功していた。小町は恥ずかしいのか明かりをすべて消して待っていてくれた。この日は曇りで部屋の中は真っ暗闇で小町の衣擦れの音さえ大きく聞こえるほど耳の神経は異様に過敏になっている。
「小町さん、愛しています」
「はい、憲明さま~わたしもです~」

こうして2人は愛を確かめ合った、そして憲明は、
「小町さん、私と結婚してほしい」
「それなら私をこうして100回愛してください。それにその都度、何か今日のお土産のような甘いものをお願いします」
といわれて憲明は萱(かや)の実を100個渡されていた。それは1回の夜這いで1個証拠として数えるためだと小町は説明している。

それからの深草少将は毎日午後8時出発が日課となっていた。そしてそれが90日目になろうとする時に稲荷神社の伊蔵が憲明と面会したが、その憲明は見る影もなくゲッソリ痩せて顔色も悪い、伊蔵は思わず、
「おい、お主なにかに取りつかれているのでは…」
「いや~そんなことはない、こうして元気だ」
とはいうが、それは嘘になるので伊蔵はフォックス警備保障の狐に憲明の調査を依頼していた。その調査はすぐにわかり狐が伊蔵に報告をしている。
「伊蔵さま、深草少将は小野小町に化けた古だぬきに騙されています。その目的は憲明さまの愛撫と甘いお菓子でそれを100回もノルマにしていたようです」
「ほう、犯人は狸か?」
「はい、本来狸は化けるのが下手ですが、あの老婆の狸は化けるのが上手いそうです」
「そか、それなら憲明にそれをいっても信用はしないだろう…」
「その通りです。しかも今夜がその100回目の記念日になります」
「そか、それがどんな結末になるのかはわからないが、100回目を憲明にやらせてやろう…」
「して、その古狸への100回目後の処分は?」
「 いや、憲明の話ではあの屋敷は随心院の寺を残してすべて取り壊されて新しい東部支所になるというから、その狸も棲む所がなくなるからそれでいいのでは」
「はい、そうですね~あの古狸も憲明さまが毎日持ってくる甘いお菓子で相当糖尿病が悪化していますからそう命は長くはありません」

この100日目の記念すべく日は朝から大雪だった。それでも深草少将は残り一つとなった萱の実とお土産のお菓子を持って峠を下っていたが、足を滑らして急斜面から崖に落ちて凍死していた。しかし、その死に顔は笑みをもって何かをやり遂げた自慢顔にも見えた。

ハート…画像は小野小町
       
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ハート1~78話は↑の「記事一論」からお入りください。

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星「伏見稲荷大社の物語・嵯峨天皇と稲荷神社 73話…更新随時」

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ハート関連…京都歴史裏のコラム

 星「京都歴史裏のコラム・吉祥院天満宮・政所公園の白狐、北政所御墳墓、吉祥院稲荷・キュウリの糠漬け」

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最終更新日  2016年12月22日 06時05分02秒
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