329343 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ゼロの状態から人生最大のチャンスをつかむ方法 byけん仙人V3.0・・・by No Google 

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

けん仙人

けん仙人

Calendar

Category

Favorite Blog

🍑新作「忘れな草を… New! 神風スズキさん

『墓じまいラプソデ… New! babiru_22さん

集団ストーカー・テ… New! 保険の異端児・オサメさん

源氏物語〔2帖帚木 … New! Photo USMさん

東京へ行ってきます。 G. babaさん

大型蓄電池の国内投… ronnyorisyoukoさん

カーボロイド 岡田@隊長さん

がんは感謝すべき細… 健康かむかむさん
長編時代小説コーナ 龍5777さん
元気な癌患者 癌太郎さん

Comments

犬凱 新@ Re:■おとなのいじめの対処法・・・暗い・しつこい・陰湿(09/19) はじめまして。ほんとその通りだと思いま…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…
ペット総合サイト@ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! http:/…

Freepage List

Headline News

Keyword Search

▼キーワード検索

2010/07/06
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

第一章 「きづき」

都内の私立女子高校のホームルーム
ざわめきの中 教師が淡々と出欠を取っている。

教師「山本実夏・・・」呼んでも返事が無い

山本実夏の机は 教壇の正面最前列
そこには 彼女の姿は無く 整然と揃えられた
誰のものとも判らない上履きがあった。

教師は 気が付くが何も無いかのように次の 生徒の名を読み上げる。

教室の中央あたり
女子生徒三人がひそひそと陰口をしている。

やがて教師は 出欠と連絡事項を済ませると
淡々と教室を後にして職員室に戻る。

職員室に戻る教師
自分の席に着いて 引き出しから茶色の皮のアドレス帳を出す。

アドレス帳には 一枚の写真が挟んであった。

机の上にアドレス帳を開いておくと
山本実夏の自宅に電話を入れる。

教師の電話の向こうでは留守番電話のアナウンスが流れ
ピーと録音開始の音と共に
「山本実夏さんのお宅ですか 私 担任の棚橋ですが
今日 お嬢さんが連絡も無く欠席されたので確認のお電話いたしました」
彼は少しおどおどとした表情を見せながらも
伝言を終えて受話器を置き

ため息にも似た呟きをしながら椅子に体を預けた。

その頃  教室では先ほど陰口をしていた3人が話している。
高橋沙耶「あいつよく平気でいるような」
吉川優花「信じらんない~」「まじ 怖いんだけど」
平川美海「そうだよ」
雑然とする会話の中で三人は 先ほどの棚橋の事を繰り返し
陰口をついている。

沙耶が言う「あたし達のおもちゃに手を出しやがってさ」
それを聞いた美海が
「メールして呼び出す~」とけだるい言葉を吐き出しながら
すばやく携帯電話から山本実夏にメールを入れている
「早く出てこいよ↑」

教室には始業のチャイムが鳴り雑然とした空気が静まり返る・・・


その日の午後 都内私立小学校の校門
授業を終えて下校するこども達


「あーあ、なんだか学校は疲れるな」
彼の名は 福田雄太 この学校の3年生だ。

今日の昼休みの事だった。
入学時から 仲が良かった河田有斗が
男子トイレの扉の向こうで 同じクラスの女子生徒
田中美樹を閉じ込め 体を抑えていたところに出くわした。

有斗「雄太!お前 このことは黙ってろよな!」
「先生に言いつけたら二人ともただじゃ置かないからな」
有斗は こどもながらにしては少し大人びた声で二人に
言葉をあびせると その場を立ち去った。

美樹は 涙を浮かべながら無言で雄太の前を
トボトボと立ち去ってしまう。

雄太は 心の中で彼女に何が起こったのかまったく理解できず
ただ気まずい気持ちで一杯だった。

有斗の親がこの学校のPTA会長の子供であったことも
二人の思考を支配してもいたことは事実である。

彼の母親は 事あることに学校に来ては入り浸り
PTA会長という権力にも似た 優越感と言動で
職員やその保護者たちから疎まれていた。
子供たちの間でも親から言われ
「有斗君には近づいちゃ駄目よ」と度々言われて
いたのだった。

そんな複雑な気持ちで帰宅の駅に向かう雄太の前に
彼女が歩いていた。
雄太は少し早歩きに彼女に近寄って行った。

普段 まったく気にもしなかったが
彼女の身長は 雄太よりも大きく1メート55センチくらいだろうか

微かに 彼女のブラウスから透けて見える乳房のふくらみと
やや細い丸い顔を改めて見ると

昼のことを思い出すには十分なものだった。

急にもじもじと下を向く雄太
それに気がついた美樹

美樹「さっきは ありがとう」
二人の会話に間ができる

「本当は 怖くて声も出せなかったの」
「今日 いきなりトイレに連れ込まれて・・・あんなことに」

雄太は そうなんだと心のなかで安堵とも理解できたとも
い得ない気持ちで彼女の顔を見る。

「あっそう」軽い返事を返す雄太
二人とも会話もなく駅の改札に着く。

「一番線」彼女が言う
「僕も」雄太も答える

雄太は『そうだったんだ気がつかなかった』心の中でつぶやいていた

駅のアナウンスが流れる
流れ着いた丸の内線の赤い車両の扉が開き
二人は 空いた車両の椅子に腰掛けた。

雄太は 少し前かがみにもぞもぞ照れた座り方だ。

やがて車両は 走り出し地下に入ると

車内の灯りが二人の前に
少し忙しく 顔に化粧を施す女性が目に入る

美樹「大人って大変だな~」「私も大きくなったら
ああなるのかな~?」と雄太に呟いた。

雄太「女の人は 化粧で変わるんだ・・・僕のお母さんも
いつもしているけど大変だよ・・・」

化粧をしている彼女は大学四年生の渡辺さつき
就職活動の真っ最中である。

四年生で初夏のこの時期 就職の内定も出ず足を棒のようにして
いるさなか
まだ 幼い顔の彼女には 汗で化粧がうまくまとまらない。
その姿を二人は見て
思わず「ぷっ」と口を揃えて下を向きながら小笑いしていた。

そんなことも気にも留めず さつきは必死に次の面接のため
面接対策のレポートを読み返しながら
アイラインを決めている。こども二人が笑わなくとも滑稽だ。

やがて車両は 池袋駅に着く 雄太と美樹は言葉少なめに別れる
「じゃあまた明日ね」美樹が彼にそう言う
うなずく雄太

雄太は 山手線のホームで車両を待つ。

「まもなく・・・」アナウンスが流れ車両が着き乗り込む人々
夕方の前なので比較的車両の中は空いている。

椅子に腰をかける雄太
『また 有斗君は美樹さんにいたずらするのかな?』
『有斗君は面白いけど 怖いところもあるからな~』と思いふけていると

雄太の耳にシャカシャカと音が聴こえてくる。
その音の方向は彼の向かいの椅子にヘッドホンをしたまま居眠りを
している女子高生だった。
『ヘッドホンをしてても音が漏れているよう!大丈夫かな?』
と雄太は呟きながら彼女を見る。

ピンクのブラウスからは大人の雰囲気のある胸元がチラリと覗いており

思わず雄太は 昼間の美樹さんのことを思い出し恥ずかしくなり
下を向いて音のことなど気にならなくなった。

車内は だんだん人が増え西日暮里駅に近づき雄太も下車しようと
こころの準備をした時だった。

先ほどの女子高生にある初老の男性が声をかけていた。
彼女は 驚いて目を覚まし

携帯電話を開いて時間を確認しているようにも
メールを確認しているようにも見える。

ともかく西日暮里に着くと彼女は慌てて降りていった。
雄太は 少しハラハラした感じで見ていたが
いつもなら降りるはずの西日暮里駅を後にして
上野駅の快速の始発に乗ることに決めた。



マンションのエントランスに立つ雄太
オートロックのインターフォンに部屋番号を入力して呼び出す

ピン~ポ~ン♪
インターフォン越しからは「おかえりなさい」と雄太の母親の声だった。

安堵しながらオートドアの先に入りエレベーターで自宅の階へ

自宅の扉の前に立つ雄太
『今日のことはお母さんに話さないほうがいいよな~』
迷いながら玄関に入る

そこには仁王立ちする 福田幸子 彼の母親である
雄太は一瞬たじろいだが そのままリビングのほうへ進む

幸子「手を洗ってうがいするのよ」
「学校からの手紙は~」
「何か変わったことはなかった?」矢継ぎ早に雄太に問いかける幸子

雄太の耳には毎日入ってくる母の言葉だった。

『毎日 よく同じ事を母さんは聞いてくるよな~』
『僕がいつも悩んでいること本当に聞く気があるのかな?』
雄太は思った。

言われるがままに洗面台にうがいに向かう雄太
鏡に映る自分の顔を見てまた美樹のことを思い出して赤面してしまう
うがいと手洗いを済ませて母親の元に戻ると

幸子「今日は主宿題ないの?」「遅く帰ってきたけど勉強 がんばっている?」

うなずく雄太

雄太は見たい番組があったのでテレビのリモコンを手に取り
テレビをつけるが
まだ少し時間が早くニュースが流れている

「今日の午前七時25分ごろ起きた 山手線の人身事故の影響で
首都圏10万の足に影響がありました先ほど通常ダイヤに戻りました」

幸子はそれをみて「そうか それで遅かったのね」
と声をかけてくれた。

その晩 雄太は布団に入り美樹のことがなぜだが思い出しは
消えていた。

年頃の男の子のときめきとはこんな感じだろうか。

つづく
















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010/07/06 06:56:22 PM
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.