3718913 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Manachan's World-東京下町日記

Manachan's World-東京下町日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

2024年6月15日(土) duke3さん

【5月運用成績】+11… かぶ1000さん

遅らせながら ヒロシ夫妻さん

THE GAME OF LIFE むかついてきましたさん
こあらオヤヂblog こあらオヤヂさん

コメント新着

オーティズム グリーン@ Re:祝・甲府物件取得!(07/31) soup yummy +10 social credit 鈴木ソ…
Bing Chilling@ Re:大連に行きます(08/03) Social credit +100 so based 鈴木ソフ…
Wake up from the public brainwashing!@ Re:楽しいノースカロライナ(03/19) In a world full of lies, deceitful tr…
久保田賢一@ Re:女性用下着モデル考(01/22) 楽天の女性インナーによく出てくモデル
Manachan@ Re[2]:消えた湾岸ナンバー(07/13) もとい…葛飾と松戸と市川は、それぞれ別々…
2005年08月12日
XML
カテゴリ:大連の暮らし
私の妻が、臨月の大きいお腹を抱えて、産科の定期健診から帰ってきた時のことです。道中いきなり、見知らぬ老女に声をかけられたんだそうです。

その老女は、妻に向かって開口一番、「あんたはサンダルを履いてる。それじゃダメだ!」と言い放ちました。意表をつかれた妻が唖然としていると、たたみかけるように、「妊娠している時、サンダル履きは良くない。いま空気は暑く、地面は冷たい。サンダル履きだと冷気があがってくる。胎児に良くない。運動靴を履きなさい・・・」みたいな趣旨のことを言ったそうです。が、方言がきつい上に、使っている言葉がやたら古いので、妻にはなかなか理解できません。

「何よこの人!」と叫びたくなる衝動をおさえつつ、妻は言いました。「話してる意味がよく分からないんですけど・・・」。そしたら例の老女は、「あんた、本当に中国人なの?」と聞き、中国人(華僑)であることが確認できると、今度は、妻の反応などおかまいなく、自説を一方的にまくし立てました。その内容は、「そんなことじゃだめだ!」のオンパレード・・・初めての妊娠で、ただでさえ緊張気味の妻の気持ちを一層不安にさせのに十分でした。

気分を悪くした妻の顔をみて、老女は言いました。「あんた、顔色が悪いね。だったら、お寺に行きなさい。なんとか阿弥陀仏に救ってもらいなさい・・・」と、今度はいきなり布教活動を始めました。結局、10分ほど一方的にしゃべり続けた後、その老女は悠然と去って行き、一方妻は、不安のあまりふさぎ込んでしまいました。

その数時間後、私が仕事から帰ってくると、妻は異様に不機嫌な顔をしていました。「一体どうしたんだ?何があったんだ?」と聞いたところ、彼女は、今日起こった一部始終を語りつつ、途中で泣き出してしまいました。涙顔のまま、彼女はこう言いました。「一体、あの婆さんは、何なの?見ず知らずの、私の健康に責任を取るわけでもない人間が、何の権利があって、あんなことを言うのよ・・・人を不安にさせるだけじゃないの!」

たしかに、妻の言うことはもっともだと思いました。たぶん、あの婆さんは、妻に良かれと思って、いろんなことを言ったんだと思う。でも、結果は全くの逆効果になってしまった。おそらく好意から発したであろう行動が、不安と怒りを増幅させる結果しか生まなかった・・・懸命に妻をなだめつつ、私は心の底で、「あのババア、要らんこと言いやがって・・・」と、罵りたい気持ちで一杯でした。

今回は、もう少し掘り下げて、例の老女の言動が、なぜ「有益なアドバイス」にならず、「余計なお世話」になり下がってしまったのかを、考えてみます。

内容的には、十分「有益なアドバイス」になりうるものだったと思います。おそらく、しかるべき人が、適切なタイミング、適切な言い方で同じ内容を語ったならば、妻だって悪い気持ちはせず、素直に聞き入ったのかもしれません。ですが、例の老女の場合、何か大事なものが欠けていて、アドバイスに昇華させることができなかった・・・

思うに、その一つは、「責任感とコミットメントの欠如」でしょう。どの国、どの文化でもそうだと思いますが、誰かに否定的なことを言う場合は、言う側に「それなりの覚悟」が必要になります。それは、「自分の言動によって生じた相手の心の変化に対して、ある程度責任を持つことができるか?」という意味での覚悟なのだと思います。例えばの話、ひとさまの健康に対して何か否定的なことを言う場合は、相手の健康状態を相当程度理解したうえで、それをより改善するために、自分が積極的にコミットしていく、という態度がないと、なかなか受け入れられてもらえません。例の老女の場合、そういう態度が感じられなかった。だから、「無責任で勝手なこと言って・・・」という悪印象を妻に与えてしまったのでしょう。

もう一つは、「言い方が適切でなかった」ことでしょう。相手に何か否定的なことを言うのは、誉めたり同意するのに比べて、高度な言語テクニックを要求されます。例えば、「ちょっと言いにくいことなんだけど」、「まことに僭越ながら」、「老婆心ながら」などと前置きして相手に心の準備をさせた上で、例の内容を語ることができれば、それをしなかった場合より、相手に受け入れられる確率が高くなるのでしょう。で、例の老女の場合、そういう前置きを一切置かず、いきなり「サンダル履きはダメだ!」と、頭ごなしにやったために、妻に拒否反応を与えてしまった・・・

さらに言うと、その老女の場合、「人徳」或いは「人間力」が足りなかった、ということも指摘できるでしょう。どの国、どの文化にも、時々すごい人格的魅力を持った人がいて、周りの人々をして、「この人の言うことなら間違いない!」と思わせてしまう・・・そんな人が同じ内容を語ったならば、妻も自然に納得したのかもしれません。でも例の老女は、そういうタイプの人格者ではなかった。

もっとも、アドバイスをする側だけでなく、アドバイスを受ける側にも、それなりのテクニックが必要なのでしょう。例えば、フンフンと適当に聞き流したり、或いは相手の気持ちを傷つけない範囲で自分の言いたいことをハッキリ言うなど、時と場合に応じて、いろんな「受身のテクニック」を駆使した方が、物事がスムーズに行くのでしょう。言う側にせよ言われる側にせよ、「言葉のキャッチボール」が巧みにできる社会であれば、言語コミュニケーションも活発になって楽しいと思います。

ですが、人間ってそんなにうまくできてないから、難しいんですよね。特にトシを取ってくると、要注意だと思います。これはもちろん、自戒を込めて言っているのですが、トシを取ると往々にして、「人間社会で長年メシを食ってきた」という自負が出てくるのか、「自分より若い者に対して、どんな言い方をしても、受け入れてくれるだろう」みたいな錯覚に陥りやすくなる。で、その人間が、実年齢相応に人格的魅力が陶冶され、言語コミュニケーションの能力が芸術的にまで高まり、責任感も申し分ないのであればいいんですが、実際には、そうではない場合が多い。そんな人間が下手な物言いをすると、言われた側にしてはBullshitにしか聞こえない・・・そんなケースがなんと多いことか。

もう一つ言うと、上記の傾向は、面と向かってのコミュニケーションよりも、BLOG、ホームページ掲示板など、匿名性の高いネットコミュニティにおいて、さらに顕著になるようです。顔が見えないから、言いたい放題できるという安心感が出るのか、面と向かってならブン殴られても文句言えないようなことを、平気で書き込む人が後を絶ちません。

今回は、やや感情的な言葉遣いをしてしまってすみません。ま、そういうわけで、人のフリ見て我がフリ直せ・・・自分も気をつけなきゃ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年08月12日 23時11分02秒
コメント(5) | コメントを書く
[大連の暮らし] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.