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カテゴリ:お仕事@インド企業
私の二人のチームメイトは、どちらも、アフター5に日本語を習っています。うち一人は、大学時代から日本語を第二外国語として履修し、現在は日本語検定1級を目指して頑張っている、なかなかの実力者。日本の客先にも、時々、日本語でメールを書いて、誉められています。もう一人は対照的に、日本語は全くの初心者ですが、韓国語ができます(バックグランドが朝鮮族だから)。日本語の授業に出てみたら、思った以上に韓国語に似ていて、学習しやすいと喜んでいました。
その朝鮮族の彼がいいます。「俺たちみたいな英語ITエンジニアより、日本語ITエンジニアの方が、ずっと給料がいいんだよ」と。 どうやらそれは事実のようです。いま中国は、世界のITビジネスのアウトソーシング拠点の座を、インドやブラジルなどと争っているわけですが、現時点では、日本向けのビジネスが圧倒的に多い。ITサービスの輸出額でいうと、対日本が60%、対欧米が15%、その他の地域が25%といったところで、同じ漢字圏言語の強みを生かして、日本マーケットではダントツに強い反面、米国など英語圏マーケットでは、インドにボロ負けしているのが現状といえましょう。 一方、中国の教育システムは、当然ながら、日本語よりも英語に重点を置いています。中国のほとんどの地域で、英語は中学校・高校では必修科目となっていますが、逆に日本語を学ぶ機会は限られます(もっとも、大連を中心とする地域では、日本語を小中学校から選択できる学校も多いようですが)。したがってこの国では、英語ができる人材は量産できても、日本語ができる人材はどうしても希少価値になってしまいます。 ITアウトソーシングは圧倒的に日本向けが多いのにもかかわらず、日本語人材が少ない・・・という「需要と供給の関係」から、日本語のできるITエンジニアの給料は、上昇する一方。大連ソフトウェアパークでは、日本語ITエンジニアの月給は、英語ITエンジニアを2000元(28000円)ほど上回る、というのが通説で、場合によっては、4000~5000元の差がつくこともあるそうです。言い換えれば、大連一般庶民の月収分の差がついてしまうわけです。 「日本語+IT=高給取り」 「日本語検定試験の合格証書をもって、日系企業の門を叩こう。新卒で年収10万元も夢ではない!」 こんな事情があるので、大連の街の至るところに、日本語を学べる外国語学校があり、学習希望者が引きもきりません。また、学校によっては、「日本での就労」まで斡旋しているそうです。ソフトウェアパークでは、「大連で学び、日本で就業」という宣伝広告をよく見ますが、もし日本でITエンジニアとして働けば、職種にもよりますが、大連に比べて3~5倍の給料になることが、最大のウリになっています。もちろん、日本では物価もそれに比例して高くなるわけですが、でも頑張ればお金を貯めて中国に持ち帰れるし、また帰国後も日本語IT人材として高給が期待できる、というのが人気の秘密でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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