ボードに凶暴で邪悪な歪みを!『Electro-Harmonix Metal Muff』
歪み系のエフェクターには、歪の特性によってオーバードライブ、ディストーション、ファズといった分類があり、メーカーやモデルによっても音色が大きく異なります。歪みはギターサウンドの根幹をなす部分でもあるため、歪みに拘るギタリストは少なくありません。今回購入したのは『Electro-Harmonix Metal Muff』というディストーション。製品名がヤバイですね。『Electro Harmonix』は、個性的なエフェクターをリリースしてるメーカーです。『Metal Muff』もその例に漏れず、キャッチコピーは『凶暴で邪悪なディストーション』。激しい歪みが得られるエフェクターとして知られています。『BOSS』や『MXR』の製品と比較するとかなりサイズが大きく、筐体は金属製なので重量は650gもあります。『Metal Muff』には、『Micro Metal Muff』や『Pocket Metal Muff』といった小型の姉妹品がありますが、ボードのスペースが許すなら『Metal Muff』を選んだほうが良いいでしょう。 歪み系としてはコントールが充実しています。これは樹脂製のツマミの旧製品で、現行品は金属製のツマミに変更されています。イコライザーが秀逸で『TREBLE』、『MID』、『BASS』と3つの帯域を弄れますので、音作りの幅が広がります。効き具合も良好です。2つのフィットスイッチを備え1つは、エフェクターのON/OFFを切り替える『BYPASS』。トゥルーバイパスではありません。もう1つのフットスイット『BOOST』は、高音域を強調するトップブーストのON/OFFです。フットスイッチは、クリック感の強く、踏み込む必要があるタイプで個人的には好みではありません。 電源は、センターマイナスの9V ACアダプターと9V電池に対応しています。電池を交換するには、背面のパネルをドライバーで外す必要があり、電池が交換しやすい設計とはお世辞にも言えません。オペアンプには『JRC 4558』が使われています。型番の最後に『D』がないのでローノイズな選別品ではありません。選別品でも1個 数十円で買える安価なICですが、あえて選別品を使っていないのかもしれませんね。『Electro-Harmonix』の製品は中国や東南アジア製ではなく、『Made In New York City』である点も特徴ですが、代理店が提示する定価も輸入品としては手頃です。また、並行輸入品も入って来ていますので、『BOSS』等の製品と変わらない価格で手に入れることが出来ます。『Electro-Harmonix』の製品は個性が強いと言われますが、幅広く受け入れられスタンダードの1つになっているという側面もありますので体験して損はないと思います。 肝心のサウンドはと言うと同様に激しい歪で知られる『BOSS MT-2 MetalZone』がフラットな特性を持ち、ノッペリした冷たい印象の音色であるのに対して、『Metal Muff』は暖かく太いサウンドを生み出してくれます。『BOSS MT-2 MetalZone』も悪くはないのですが、よく歪む割りには上品で整った印象も抜け切れていません。パンチの効いた迫力のあるメタルサウンドが好みなら『Metal Muff』をオススメします。今回もレビュー動画をアップしました。勿論、下手くそなデモ演奏もあります。 ・[DEMO] Electro Harmonix Metal Muff (DISTORTION)