カテゴリ:フライのお話
今日は暇つぶし的なエントリーを、ふたつも書いたので3本目のエントリーとなります…
先日「しげさん」に頂いた、『キジ』の羽根を使っていくつかフライを巻きました。 この羽根を見て、真っ先に巻こうと思ったのが『ミセス・シンプソン』という毛鉤です。 ミセス・シンプソン1 posted by (C)matsukuni この『ミセス・シンプソン』というフライは、ニュージーランドで生まれた、彼の地の有名ポイント『タウポ湖』で抜群の威力を誇るフライなのだそうです。 ご存知の通りニュージーランドという土地は、イギリスの植民地だった場所。 入植した英国人はリトル・イングランドを作るべく、自分たちの趣味(この場合はフライフィッシング)のために元々ここにはいなかったトラウトを、母国や米国から卵で持ち込み、現地で孵化させて釣りの対象魚としたのが、この国のトラウトの歴史の始まりなのだとか。(まずは母国からブラウントラウト、続いて米国からレインボートラウト) そのトラウトたちがタウポ湖で大きく育ち、イギリスからも貴族たちが大勢釣りに出掛けたそうです。 当時イギリスでは、国王がMrs.シンプソンという未亡人に夢中になった挙句、身分を捨てて結婚してしまうというスキャンダルが世間を賑わせていた頃。 その話にあやかって、タウポ湖の王クラスのトラウトを夢中にさせるという期待から、このフライに『ミセス・シンプソン』と命名されたということ。 そんな歴史を持つフライを、よりオリジナルに忠実な作りで巻いたのが、上の写真の毛鉤。 ミセス・シンプソン2 posted by (C)matsukuni 実は1本目に巻いたのは2枚目の写真のもので、ボクの記憶だけを辿って小魚のイメージで巻き上げたもの。 現存する多くのフライは、ベースとなるフライが英国なり、その後大きくフライが発展するキッカケを作ったアメリカなりに存在して、その改良版となるものが多いものです。 しかしNZの人が考案したフライというのは、不思議と本家イギリスの毛鉤の面影はなく、独自性に優れています。 これは侵略者である国のモノを真似たくないという、現地の人「キウィ」たちの気概から生まれたのでしょうか。 そして、もう1本はスタンダードなスタイルのウェットフライ。 キジとクジャクの羽根だけで巻いた毛鉤です。 フェザント&ピーコックウェット posted by (C)matsukuni 後ろから posted by (C)matsukuni ボディとウィングがクジャク、ボディハックルとスロートハックル(この世界に詳しくない方のために:茶色いボサボサと、ヘッド付近から生えてるブルーグレーのボサボサ)がキジの羽根です。 クジャクの羽根が美しいのは言うに及ばず、このキジの羽根も写真では表しきれませんが、角度によって茶色の羽根が紫に見えたり、ブルーグレーの羽根もよく見ると実に素晴らしい斑模様が入っていたり…なんとも魅力満載。 こんなフライが巻けたのも、年の離れたお友達「しげさん」のおかげです。 しげさん、有効に使わせてもらいますね。 いつも、ありがとうございます。 (kuni) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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